仕事に慣れてくると、勝手に手が動いてスピードが上がってきますね。でもその“慣れ”がくせ者。ミスも起こりますし、ルーティンになるとやる気も削がれます。
慢性的にやる気が出ない状況を打破するには
IT商事の昼休み。タカフミ君とヒロシ主任が社員食堂でランチ後のコーヒーを飲みながら雑談しています。話題は、マサヨシ課長の判断ミスが原因で起こった、IT商事が扱っている商品を自主回収するという“事件”に及びます。
タカフミ君 それにしても、マサヨシ課長、やっちゃいましたね。
ヒロシ主任 あー、例の事件ね。ノリオ課長が言ってたけど、普段のマサヨシ課長ならあんな判断ミスはしないはずだって。
タカフミ君 なんかあったんですかね。
ヒロシ主任 マサヨシ課長に限って、スキがあるとは思えないけど、まぁ、どんな人でも油断はつきものってことかなぁ。
タカフミ君 災害は忘れた頃にやってくるって言いますしね。
ヒロシ主任 確かに。
そこへノリオ課長が通りかかりました。
ノリオ課長 ここ、いいかな?
タカフミ君 もちろんです。
ヒロシ主任 いま、マサヨシ課長の……。
ノリオ課長 あぁー。まぁ、マサヨシ課長個人のことはさておき、まぁ、誰にでもミスはつきものだということかな。僕もこれまでにたくさんミスを重ねてきたからね。振り返ってみると、ミスをする時というのには共通点があるんだ。ミスの大小に関係なくね。
ヒロシ主任 やはり、スキですかね。
ノリオ課長 うん、スキもある。スキはどういう時に生まれる?
タカフミ君 油断した時!
ノリオ課長 油断してしまうのは、どうしてだろう?
ヒロシ主任 慣れてくるからでしょうね。一度慣れると、ほとんど考えなくても、それこそ手が勝手に動いて仕事が進んだり、判断のスピードが上がったりしますが、同時に、気を抜いちゃうんだと思います。
タカフミ君 あと、何だかわけもなくやる気がなくなったりとか。
ノリオ課長 そうだね。そういう意味では慣れには注意しないといけない。
ヒロシ主任 注意するといっても、慣れてくると注意がおろそかになってしまいますよね。だからこそミスが起こりやすくなる……。
ノリオ課長 そう、そこがポイント。慣れによるメリットを享受しつつ、慣れによるデメリットを排除するようにすればいいわけだ。そうすれば、自然とやる気も湧いてくる。
タカフミ君 そんな方法あるんですか!?
ノリオ課長 「孫子の兵法」って聞いたことがあるだろう? 実はそこにヒントがあるんだ。
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。
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