1本のヒモで1秒を計る3分LifeHacking

時計がないと時間が計れない? 日時計? 砂時計? いや、1本のヒモがあれば時間を計れてしまうのです。

» 2007年02月02日 22時22分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 デジタルグッズを駆使するのもいいけれど、アナログなサバイバル環境でもなんとか工夫してしまう知恵を、ビジネスパーソンなら持ちたい。そんなヒントになるちょっとしたテクニックの1つが、“時間を計る”だ。

 時計なしで時間を計るというと、日時計や脈拍などがすぐに思いつくが、今回はもっと正確に、短い時間を計るにはどうしたらいいか考える。

 使うのは1本のヒモだ。昔習った「振り子の原理」を覚えているだろうか。これを応用する。

 ちょうど1メートルのヒモを垂らして、振り子のように揺らすと、行って帰ってくるまでの時間(周期)はほぼ2秒になるのだ。手前から向こうにいくまでに1秒、戻ってくるのに1秒──。見事に時計として使える。振り子の原理を思い出せば分かるように、ヒモの先に付ける重りはなんでもいい。

 ざっくり1メートルでも、だいたい1秒が計れるから、目の前でヒモを揺らせば、心の中で1秒を数えるよりも正確だ。

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 ではヒモの1メートルはどう計ったらいいか。それはこちらの記事などを参考にしてほしい。また、ヒモの長さは筒状のものに巻き付けて計ることもできる。近似的には、直径が2センチである1円玉を筒にして、16回ヒモを巻き付けると約100.53センチの長さとなる。

なぜ1秒?

 このことは逆に、正確な時計があれば、周期がちょうど2秒になるよう振り子のヒモの長さを調整することで、ほぼ1メートルを計ることができる。

 それぞれ歴史的に、「子午線の北極から赤道までの長さの1000万分の1」と定義された1メートルと、「1日の86400分の1の時間」と定義された1秒が、地球の重力加速度と絡めて計算すると、きれいな計算式で表されてしまうという偶然を楽しみたい。

 なお、振り子の周期(T)を求める式はT=2π√L/g。Lはヒモの長さで、gは重力加速度(約9.8メートル毎秒毎秒)だ。これを解くと1メートルのヒモの振り子の周期は2.0064となり、ほぼ1秒が得られる。この式を応用すれば、より長い時間や短い時間も計測可能だ。ちなみに重力加速度を用いる計算なので、地球以外では数字が違ってくる。将来地球外での活躍を目指すビジネスパーソンの方はご注意を。

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