何もインストールすることなく、「このページを翻訳」したり「このページをブログに引用」したりできるボタンをブラウザに設置できる。ブックマークレットで、操作性アップを目指そう。
ブックマークレット(Bookmarklet)という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、ブックマークにURLを登録する代わりに、短いJavaScriptを登録して、ブラウザにいろいろな機能を追加する特殊なブックマークだ。
扱いはブックマークと同じ。「お気に入り」などに登録して、選択すれば実行される。ブックマーク同様、リンクをドラッグしてブラウザのリンクバー(ブックマークバー)にドロップすれば、簡単に押せるボタンになる。livedoor クリップのブックマークレット解説ページに、ブックマーク登録方法についてのムービーがあり、分かりやすい
ブックマークの場合は、登録したサイトにジャンプするわけだが、ブックマークレットは現在開いているページに対して、いろいろな“操作”ができるのが特徴だ。非常に簡単に利用できるので、説明するよりも使ってみるほうが早い。いくつか便利なブックマークレットを紹介しよう。
検索でヒットしてページに行ってみたら、既にページが削除されていた、ページの内容が書き換わっていた、重くてつながらない……。こんなときどうしているだろうか。Googleを使いこなしている人なら、「キャッシュを開けば残っているかもしれない、開くかもしれない」とすぐ思いつくだろう。しかし、ページのタイトルをコピーしてGoogleで改めて検索してキャッシュをクリックして──とやるのはかなり面倒。
下記ページから配布されているブックマークレットは、今開いているサイトのGoogleキャッシュを開くものだ(※このリンクをそのまま登録してもブックマークレットではありません)。
同じように、今開いているページにリンクしているページを探すのも、ブックマークレットでボタン1つ。こういったブックマークレットを活用すると、Webでの情報収集の幅が広がる。
ページの翻訳もブックマークレットを使えば簡単だ。翻訳したいページのURLをコピーして、翻訳サイトを開いて、ペーストして……とやらずとも、ブックマークレットを押すだけで翻訳済みのページが表示される。
下記はGoogle純正のブックマークレットだが、ExciteやInfoseekの翻訳エンジンを使うブックマークレットも、いろいろな開発者が公開しているので検索してみるといい。
続いては、少々マニアックなブックマークレットをいくつか。「サイトへgo」は、リンクが貼られていないURLにコピー&ペーストすることなくジャンプできるブックマークレットだ。URLをマウスで選択してブックマークレットを押せばいい。
「ttp://www.itmedia.co.jp」のように、頭の“h”が抜けていてもジャンプできるのが秀逸だ。
各種ニュースサイトなどから引用しつつブログを書いている人に便利なのが、下記のブックマークレット。引用したい部分を選択してブックマークレットを実行すれば、blockquoteなどが入った状態のタグを生成する。
筆者がWebページを印刷するときに愛用しているのが、下記の「消す!」ブックマークレットだ。Webには印刷時には必要ない要素がいろいろとあって、「ああ、この部分がなければ1枚に収まるのに……」と思うこともしばしば。この「消す!」は、こうしたWebページのパーツを消してしまうことができる。
使い方は「消す!」を押して、Webページの中でいらない部分をクリックしていくだけ。必要な部分を消してしまっても、リロードすれば元に戻る。
次の[ajax]quickeditは、消すだけでなく、修正もできてしまうブックマークレットだ。実行すると現在表示しているページのソースが別ウインドウで開き、ソースを修正するとすぐさま元のページの表示も切り替わる。「この文字を変更すると表示はどう変わる?」なんて時に、簡単に確認ができてしまう。
最後のパスワード表示は、セキュリティに関する意識を改めさせるブックマークレットだ。最新のブラウザはWebのパスワードを保存する機能を持っており、保存したサイトにアクセスすると、入力欄にパスワードが「*」「●」といった伏せ字で自動入力される。
ところがこのブックマークレットを使うと、伏せ字の部分に何が書いてあるのかを表示できるのだ。ブラウザが覚えているけど忘れてしまった……というパスワードの確認に使えるのはもちろんだが、逆にブラウザにパスワードを覚えさせることの危険性を改めて感じさせるブックマークレットである。
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