結局、ノートパソコンの「Endeavor NA702」に決めた。デスクトップを購入して書斎に引きこもりがちになっても困るし、移動が簡単なノートパソコンならリビングで母親とも一緒に使えるのではないか、と考えたからだ。一応Second Life以外の要素も配慮したのである。BTOでは、デュアルコアCPUのCore 2 Duo T5500(1.66GHz)やSXGA+の高解像度ディスプレイ(14.1インチ/1400×1050ピクセル)を選択した上、メモリも1.5Gバイトに増やした。
数日後、早速Endeavor NA702が届いた。杏奈は、康夫のためにSecond Lifeをインストールした。「わー、すごーい。街の中に人がいっぱいいるよ」。誠一のパソコンでも見たはずだが、改めてNA702で見ると広大な仮想空間にため息がでる。康夫も「おお、これはスゴイ」と興味深そうだ。
「杏奈、ありがとうな」「ううん、お父さんもSecond Lifeを充実させてね」「ん、杏奈」「何?」「セカンドライフっていうのは老後のことだぞ」「ええー、ワタシ、Second Lifeのことだとばっかり思ってたー」
てへ、と舌をだして謝る杏奈。康夫は「いいんだ。杏奈がお父さんを心配してくれたことのほうがうれしいよ」と優しく笑うのであった。
さて、それから数日。康夫は杏奈に選んでもらったEndeavor NA702とスキャナを使って、杏奈が小さいころに撮影した写真をデジタル化していた。「どうだ母さん、杏奈もこんなカワイイころがあったんだなぁ」「あら、今でもカワイイじゃないですか」「そりゃそうだ」。康夫と真紀子の笑い声が響く。「俺もまた写真をやろうかな。うん、大きくなった杏奈を撮ってやろう」。ここ十数年、多忙ですっかり縁遠くなっていた自分の趣味を思い出した康夫であった。
結局、Endeavor NA702で康夫がSecond Lifeにハマることはなかったが、写真の整理やインターネット通販などに活躍し、生活に根付きつつあった。一方、杏奈はといえば、実はデスクトップパソコンの「Endeavor MR3100」をちゃっかり購入していた。本来は、デザイン事務所で役に立つようにCADを勉強するために購入したMR3100――だったのだが、なぜかSecond Lifeマシンと化しているのは誠一にも秘密なのである。
提供:エプソンダイレクト株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia Biz.ID編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日
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