やりたいことを書き終えたら、そのリストをよく見てみて、できるかどうかは抜きにして、やっぱりこれはいいな、やりたいな、というものを○で囲ってください。どうでもいいや、というものは放っておいてください。
次に、「これはスゴイ!」「これをできれば最高だ!」というものは最高の目標として☆印。「これは余裕でできるな」「まあ、ちょっとがんばればできるんじゃない」というものには△印を付けてください。その中間のものには○印をつけましょう。
ステップ1では、今回はこの目標でいく、というものを1つ決めていきます。
ただ、目標と一言でいっても、人によってその大きさが違います。「今日なんとか早く帰ってテレビ番組を見る」というものだったら目標といっても割と簡単にできますね。こういう目標の人もいれば、「起業して年収1億」みたいな人もいます。目標に最高(☆)、簡単(△)、中間(○)の印を付けてもらったわけは、目標によっては「これは自分にとって大変なんだ」と思うとやる気が出る人と、「無理だ」と思って落ち込んでしまう人がいるからです。印を指針の1つとして、自分の目標をフォーカスしていきましょう。
設定する目標は最高の目標でも小さな目標でもいいのですが、ちょうど季節が春ですから、今回は半年から1年のスパンで達成を目指す目標にしてみましょう。
そして目標を1つフォーカスしたら、「何年何月何日までに実現する」という日付を付けてください。
平本 ちなみに目標は何ですか?
斎藤 「投資をする」です。
平本 いくらくらい投資しますか?
斎藤 200万円くらい……いや、無理だな(笑)。200万円を貯めるから入った方がいいですか?
平本 200万円を投資に使う、という方が目標としてはいいと思いますね。「貯める」ではちょっとワクワク感に欠けますよね。「投資」はワクワク感がありますから。
房野 私は「本を書く」です。
平本 いつまでに? 日付を決めてほしいんです。
房野 じゃあ、年内に……。
平本 「年内」じゃダメです。「2007年12月31日」にしてください。
斎藤 じゃあ僕は半年くらい、ということで8月31日までに。
平本 このように目標をフォーカスをして、時間を決めていきます。
自己啓発の本では、目標実現の方法についての考え方に大きく2タイプあります。1つは、目標はひとつに絞って、それに向けてガンガン行動したほうがいいという考え方。もうひとつは、1個に絞るのではなくバランスが大事だという考え方です。家庭も大事、仕事も大事、趣味も大事、休みも大事、自己成長も大事……という考え方です。
これに関して私はそのどちらのタイプの考え方でもなくて、時期によると思っています。ある人は1つにフォーカスしてガンガンやったほうがいい時期の人、またある人は、全体を見てバランスをとって行動したほうがいい時期にある、という立場です。
今回の「目標実現の7つのステップ」では、バランスの時期というのは想定していません。フォーカスの時期ということで、1つに絞ってやっていきましょう。
フォーカスの時期は、目標を1つに決めて、何が何でもそれを実現するためにやる、という感じです。やりたいことに優先順位をつけて、それが実現したら初めて次の目標にとりかかります。ちなみに、バランスの時期ではいろいろなものが同時進行します。これもやりつつ、あれもやりつつ、という感じです。
ピークパフォーマンス 代表取締役
平本相武(ひらもと あきお)
1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。
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