今、求められているOA機器とは?──その動向と選択のポイントあなたのグループでも導入できる──賢く選ぶビジネスプリンタ

OA機器に求められるポイントに変化が起こり始めている。ポイントは「複合機化」と「ネットワーク化」。カラー化の進展や、環境への配慮にも注目したい。

» 2007年09月10日 19時15分 公開
[SOS総務]
SOS総務

 日々の業務に欠かせないOA機器。企業として取り組む課題が変化する中、OA機器に求められる要件はどのように変化してきているのだろうか?

顕著なのは「複合機化」と「ネットワーク化」

 OA機器に詳しい専門家によると、OA機器の中でも、コピー、ファクス、スキャナ、プリンタなどの周辺機器に関してのここ数年の傾向といえば、やはり「複合機化」と「ネットワーク化」。デジタル技術が進んだことで、それぞれの機器を単体で使うというのではなく、ネットワークにつないでさまざまな使い方ができるようになったのは、アナログが主流だった時代との大きな違いだと指摘する。

 企業でのIT活用が広まり、業務上のさまざまな処理をネットワークを用いて行うようになった現在、プリンタなどの周辺機器にも、ITソリューションに対応するための機能が求められているという。また、それにより大きな課題となっているのが情報漏えいなど、セキュリティの問題だ。

 デジタル化、ネットワーク化に伴って、いちばん怖いのはデータの流出。セキュリティを重視する傾向は、メーカー側、ユーザー側ともに年々顕著になってきており、ひとくちにセキュリティといっても、暗号化、使用者認証、不正コピー防止、印刷物の取り間違い防止など、さまざまな手法が取られている。また最近では、複合機などのHDDに残るメモリの処理やコンピュータウイルスに対するケアも注目されているようだ。

進む「カラー化」その決め手はやっぱりコスト!?

 また、そのほか「カラー化」や「環境への配慮」もここ数年の傾向といえる。

 特にカラー化については、プレゼンテーション資料やチラシ・POPといった販促ツールなど、ドキュメント利用者のニーズが高まったことはもちろんだが、何より大きいのは価格の問題だろう。以前は高いという印象が強く、検討の対象外とされがちだったカラーコピーやプリンタも、機種によっては従来のモノクロ機とあまり変わらないものもあるなど、随分と価格がこなれてきている。そのため、同じ導入するならカラー機をというユーザーが増えているようだ。

 一方、社会的に関心が高まっているリユース、省エネなど環境に配慮した製品についてはメーカー側の意識が高く、各社ともさまざまな商品の開発・販売に取り組んでいるが、ユーザー側がそれを機種選びのポイントとして重視しているかというと、まだまだのようだと専門家は指摘する。

 CSに関する調査・コンサルティングの専門機関であるJ.D. パワー アジア・パシフィックが、2007年5月に中小規模事業所(従業員数30〜99人規模、回答数:2887)を対象に行った「2007年日本コピー機/複合機顧客満足度調査」によると、コピー機/複合機の保有台数は一事業所につき2.5台前後と、2000年からほぼ横ばい。これに対し、カラー機の保有率は順調に伸長。設置台数で見た占有率も2000年の8%から40%へと、7年間で実に5倍の伸びを見せている。

 また、カラー機を選んだ理由を見ると、2000年には「機能・性能がよい」「仕上がりがきれい」などであったものが、今年の傾向としては、「導入価格」「維持費」などコストに関するものが多くなっているという。これは専門家の指摘にもあったことだが、技術の向上に伴い、同等機種による商品性能の差が縮小してきていることが、その理由の1つと考えられそうだ。

 ちなみに同調査によると、利用者側の満足度への影響度は、3つのファクター「販売対応」「保守サービス」「商品」ともに、それぞれ約3割(モノクロ機、カラー機とも)。また、メーカー別の満足度ランキングはモノクロ機、カラー機ともにリコーが第1位であった(その他のランキングは下図参照)。

注:一部メーカーは少数サンプルのためランキングに含んでいない。出展:J.D. パワー アジア・パシフィック「2007年日本コピー機/複合機顧客満足度調査」
注:一部メーカーは少数サンプルのためランキングに含んでいない。出展:J.D. パワー アジア・パシフィック「2007年日本コピー機/複合機顧客満足度調査」

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