ビジネスパーソンが常に遭遇するのが“人間関係の難しさ”。人間関係のトラブルの元となる、陥りがちな心理法則7つを知っておき、感情的な議論に発展しないようにしましょう。
同僚の気持ちを理解するには
コツ:人の心理に潜む7つの一般法則を知っておく
人間関係の難しさは、組織で働くビジネスパーソンとしては、避けて通ることのできない問題といえます。前回と前々回で、人間関係のこじれや、こじれから来るストレスへの対処法をご紹介しました。
1つ目は、論争や対立が激しくなりそうになったときのためのシゴトハックです。
たとえ自分には非がなくとも、自分の意識を「未来志向」にすることと、「怒りは気丈に受け止める」という「方針」に従って行動することで、自分の自尊心を不必要に傷つけずに済みます。自尊心が傷ついてしまうのはむしろ、「怒り」を受けるとは全く予想もしないときに、心理的な対応がとれずに不意打ちを食らう格好になるからです。
それゆえ、上記のような対応体勢ができていれば、売り言葉に買い言葉で議論をエスカレートさせてしまうようなことを未然に防ぐことができるでしょう。
2つ目は、人と仕事をしている限りは避けられない、対人関係のトラブルの予防策です。
この2つの考え方を身につけることで、ストレスを軽減することができるでしょう。
ただし、上記のようなシゴトハックを本当の意味で活用するためには、人間関係のトラブルの元となる、陥りがちな心理というものを理解しておく必要があります。
とはいえ、人の心理はそれぞれに違いますから、トラブルを生む人間心理を理解するといっても、とてもそんなことはできない、と感じられるかもしれません。でも、トラブルを生むネガティブな心理には共通の気持ちがあります。その基本的な心理法則を以下にご紹介します。
たとえば、PCやITアレルギーの上司からしてみれば、現在のようなPCが当たり前の職場環境は、上記7項目のうち実に5項目(評価を失う・拒絶される・認められない・恥をかかされる・どう思われているかが気になる)までが該当し、心に突き刺さってしまうことが分かります。だからこそ、「感情的」になりやすく、非生産的な議論を展開してしまいがちにもなるのです。
一方で、どんな議論にせよ、感情的に「問題点」を指摘された同僚や部下は、上記のほとんどが該当してしまうことになります。特に「苦痛を避けたい」という感情と「仕事を思い通りに進めたい」という感情に火がつきます。こうして双方の自尊心に傷がつくと、感情的な議論がエスカレートしてしまうわけです。
しかし、上記の7項目の中でも、特に「評価されたい」「恥をかかされたくない」「まず苦痛を避ける」「思い通りにしたい」と、自分も同僚も上司も部下も感じていることを、確かな知識として持っていれば、感情的な議論を避けることはそう難しくなくなるはずです。
1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。
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