小野 弾さんにとって楽しい会議とそうでない会議はどのようなものですか?
小飼 やっぱり、開発者系の会議は楽しい。100%フォーマルなものだと、会議がうまく進行しただけで成功だけど、開発者系だと100%フォーマルということはまずない。フォーマルな部分とインフォーマルな部分のバランスが絶妙にとれている会議は良い会議になる。Perlコミュニティーは、いつも良い会議をしていてぜいたくだと思う。ライトニングトークが出てきたのもPerlコミュニティー。人間、5分であれだけのことが話せるということを証明した。一方的に技術を上の方からぶつけるスタイルは、すでにPerlコミュニティーでは消滅している。むしろいかにネタを集めるかが大変ですね(笑)。
小野 インタラクティブでツッコマビリティが高い会議、ということでしょうか?
小飼 そう。あとは、ツッコミビリティも必要。ツッコマビリティとツッコミビリティの両方が高いのがいい。
鈴木健 やじ怒号は参加意欲の高さの証明ですよね。
小飼 あと、実は笑いがすごく重要。笑いのない良い会議というのはあり得ない。かといって落語の寄席みたいになっても笑いそのものが目的になってしまう。開発者系で一番笑いを大事にしているのはPerlコミュニティーだと思う。Rubyの人たちもいい仕事をしている。Rubyコミュニティーを見て、普通というものの良さを再認識しているところがある。
Perlに限らず、開発者系のコミュニティーではぶっ飛んだものが良いものであるという風潮がずっとあった。Rubyのものというのは、とんがっているのではなく、心地よい。かといってまったりとしているかというとそうではなくて刺激がある。普通であるとしか言いようがない。適度な笑いがあり、適度な新情報があり、適度な現実の再確認があり、適度な批判があり、というもの。合わせると普通ということになる。絵の具を全部混ぜると灰色になるということではなく、原色はあまり光ってはいないけどいい色になっている、というような。Perlコミュニティーはちょっとどぎついかもしれない(笑)
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