インタビュー
» 2008年01月16日 16時00分 公開

小飼弾氏に聞く: 会議についてどう思いますか? (3/5)

[小野和俊,ITmedia]

鈴木健 直接会うのは、探索プロセスでもありますね。例えば、こちらのちょっとした一言に相手はどう反応するかを探索している。

小飼 最初の出会いがある程度濃密なものであれば、あとはある程度距離をとっても、相手がどういう風に反応するんだなっていう憶測の精度というのは上がっていくものじゃないですか。それはどんな人に会うにしても同じ。だから、その後も関係が続くという前提があるときには、第一印象で良い印象を与えすぎてはいけないと思う。

 そういった意味では何といえばいいのかな。ブログみたいなツールというのはずいぶん第一印象のバリアを弱めますよね。初めて会った気がしない、という。ただ、ブログにおいて自分をプレゼンテーションしている人が、みんなうまくやっているかというとそういうわけでもない。必要以上に大きく見せようとしている人もいるし、悪いところを見せないようにしようとしている人もいる。

小野 弾さんはブログでもトラックバックなどでかなり活発にコミュニケーションをされていますが、弾さんから見て、リアルなコミュニケーションと比較した時のネットのコミュニケーションの特性はどのようなものですか?

小飼 リアルで会わないがゆえに良いコミュニケーションができることもあると思う。属人論法というものがあって、同じことでも、自分が嫌いな人が言ったのと自分が好きな人が言ったのとでは180度印象が違う。要は、この意見が正しいのは、この人が言ったからだという論法。これには半分は賛成で、半分は反対。属人論法は論理学的には間違いだけど、生物学的にはずっと正しかった。議論の内容によってはわれわれは生物学的にだまされ得る。だから、あえて、自分が何者かという情報を出さないで議題だけ提示してやり取りするというのは、議題そのものの正しさを追求する方法としては実は一番正しいと思う。その意味で2chは効率がいい

小野 例えばブログの世界で言うと、「分裂勘違い君劇場」のfromdusktildawn氏がいます。彼は実名も肩書も経歴も明らかにしていませんが、彼にはものすごい信頼があって、この間友人の起業にともなって人材募集した時も40人近いリアルな応募を集めたということがありました。彼がブログを始めた時点での属人性はなかったかもしれないけれど、無名の状態で、文章の力だけでそこまでの信用を集めてしまったわけです。

小飼 小説のキャラクターのようなものだと思う。実はわれわれは、人の文章からだけでもその人のキャラクターを脳内に構築できる。分裂勘違い君劇場の場合には、脳内キャラクターを構築するのに十分な文章を上げている。こいつはこういうヤツなんだいうイメージが描ける。

属人論法:「何を言ったか」よりむしろ「誰が言ったか」を気にする論法。その属人性こそがその言葉の担保となることが多い

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