グリーンの蛍光ペンで最終バージョンチェック文具王の「B-Hacks!」

最終版が重要な書類については、すぐにそれと分かる工夫をしておきたい。筆者の場合はここでも、例のグリーンの蛍光ペンを使うのだ。

» 2008年01月31日 12時07分 公開
[高畑正幸,ITmedia]
蛍光ペンを引いておけば、ひと目で分かるようになる

 以前にグリーンの蛍光ペンでの校正方法について書いたが、蛍光ペンはほかにも多用するのでその話。

 仕事をしていると、書類のバージョン管理が重要になってくる。特に見積書や仕様書などに関しては、最終的にフィックスするまでに何度か細かい変更があると、その都度プリントアウトやFAXされた書類がたくさんできる。最新版以外で仕事をするとトラブルが発生するので、旧バージョンは廃棄するのが基本だが、変更や経緯の確認のためなどで、以前のバージョンをすぐには捨てられない状況もある。

 最新でないバージョンを元に別の最新版を作ってしまった場合などは最悪である。それぞれに最新版を主張する複数の異なるファイルの存在は、ビジネスにおいては大きなトラブルの原因になる。名を継ぐ者は常に一人。それ以外は抹殺すべしだ。

 IT化のおかげで細かい修正のたびにプリントできるようになったのはよいが、これらの書類はバージョンが違ってもよく似ていることが多く、一見しただけではどれが最新版か、どの順番に作成された物か判断できない事が多い、そのたびに日付などを見て確認していたのでは時間の無駄である。「一般的なビジネスマンは1年に150時間も探し物をしている」などといわれるが、「どちらが最新か」というようなまったく内容には関係ない比較に使っている時間も実は相当なものだと思う(日付そのものが入っていない書類や日付を変え忘れたりしている場合など、もうどれが本物だかさっぱり分からない)。

 そんなことにならないように、最終版が重要な書類については、すぐにそれと分かる工夫をしておきたい。筆者の場合はここでも、例のグリーンの蛍光ペンを使う。自分の中でこれでOKと思った時点で、最新版の用紙の一番上の端ピッタリにグリーンの蛍光ペンで線を引く。こうしておけば、たくさんの書類を重ねてもこぐちにグリーンのラインが見えるのですぐに分かる。ここでグリーンを使うのもやはり、目立つ割には比較的目に優しく、コピーなどにも比較的写りにくいという点がポイントである。

古くなったら、グリーンのラインの上にピンクの蛍光ペンでラインを引く。緑の若葉が枯れ葉に変わるがごとく茶色っぽくくすんだ色に変色するのだ

 しかし、ここでもうひとつ注意しておかなくてはいけない重要な点がある。それは「最新版は次なる最新版が出た時点で最新版ではなくなる」ということだ。グリーンのラインを引いた書類が何枚も存在すれば、それこそ何のためにラインを引いたのか分からない状況になる。そういう場合は、新しい書類にグリーンのラインを引くと同時に、古くなった書類のグリーンのラインの上にピンクの蛍光ペンでラインを引く。こうすると、グリーンのラインはピンクと混じり、緑の若葉が枯れ葉に変わるがごとく茶色っぽくくすんだ色に変色する。こうすれば、その書類は、すでに最新ではない物だと一目で分かる。

 一度枯れ葉色になってしまったラインはもう元には戻せないが、一度最新版でなくなった書類が最新版に戻ることは原理的にはあり得ない。仮にその後のバージョンが良くなくて、元に戻すという場合は再度コピーなどしてラインを引き直すことも考えられなくはないが、今のところその必要はほとんどない。

 通常、最終的に保管する場合はグリーンのみを残して後は廃棄するが、その際にもどれを捨てていいかがすぐに分かるので、無駄な書類を保管して後で混乱することもなくなり、保管スペースにもやさしい。なにより、ほとんど悩まなくてすむのは、とても気持ちがいい。

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前売券 1500円(飲食別)※ローソンチケットにて発売中!(Lコード【L:32352】)
当日券 未定
問い合わせ先 infotcc@nifty.com ※当日は03-3599-2390

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著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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