第19回 話が合わない人にありがちな価値観のズレ3種リストのチカラ

あの人と話が合わない──。そんな場合は相手との価値観がずれている場合があります。価値観の違いを認識した上で、建設的な取り組みをするにはどうしたらいいでしょう。

» 2008年03月12日 10時25分 公開
[堀内浩二,ITmedia]
「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか
(内田和俊 日本実業出版 2006年)より
  • 「結果重視」と「プロセス重視」
  • 「数字重視」と「人間関係重視」
  • 「直観型」と「熟考型」

 一読して「あるある!」と苦笑してしまったリストです。話が合わないパターンがよく網羅されているなという、それだけの理由でメモしておきました。しかし、しばらくしてから取り出して眺めているうちに、単に「こういう価値観の違いってあるよね」だけではない、建設的な活用の仕方が見えてきました。

 これらの対立軸は、どちらが間違っているわけではありません。結果重視かプロセス重視か、ではなく、結果もプロセスも重要なのです。対立軸として普遍的であるということは、この3軸は合意形成において常に意識すべき視点のリストであるともいえるでしょう。どれかの軸について全く検討されないまま合意形成に至ったとすれば、やり残している可能性があるということです。

 前回、「役割」を定義してモードチェンジしようという話を書きました。このリストは、合意形成のときに演じるべき役割のリストとしても活用できそうですね。そこで、この3つの対立軸のそれぞれから考えて、より強固な合意形成に至るための問いのリストを作ってみました。

合意形成のチェックリスト

  • 結果の予測だけでなく、そこにいたるプロセスについても議論をしたか?
  • プロセスを重視するだけでなく、望ましい結果を定義したか?
  • 数字を決めるだけでなく、人間関係への影響について議論をしたか?
  • 人間関係に配慮するだけでなく、数字で定量的に議論をしたか?
  • 直感に頼るだけでなく、合理的な解を熟考したか?
  • 熟考するだけでなく、直感の導きを生かしたか?

*ListFreakというサイトについて

 本文中、*ListFreak(リストフリーク)というサイトに触れている部分があります。*ListFreakは2005年11月に開設したリスト収集・共有・活用サイトです。

 *ListFreak - 世の中の知恵やコツを「リスト」で共有するサイト


筆者:堀内 浩二

株式会社アーキット代表、グロービス経営大学院客員准教授。「個が立つ社会」をキーワードに、個人の意志決定力を強化する研修・教育事業に注力している。起-動線など複数のサイトを運営。ネットメディアへの寄稿も多い。外資系コンサルティング企業時代にシリコンバレー勤務を経験。


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