「流れがいい文章」とはどんなものでしょうか。トレーニングすれば上達するポイントもあれば、あくまで情緒的なポイントもあります。気をつけておきたいポイントは何でしょう。
「流れがいい」文章とは、そもそも定義が曖昧です。「こころよいリズム」だとか「いきいきと」だとか言われても、何がどういいのかよく分かりません。わたしのように理屈っぽい理解のしかたをする人間が苦手とする類のリストです。
にもかかわらず、このリストには説得力を感じます。「流れのいい文章」は確かにあると思いますし、それを定義するならばこの4つだろうなという気がします。
1と4は、要するに内容面でも形式面でも論理的であることについて述べています。ここはトレーニングをすれば上手になれそうです。問題は2と3。このような情緒的な評価をクリアするためには、どんな技術で文章を書けばよいのでしょうか。
文章を短くして体言止めなどを使えば「こころよいリズム」の文章が書けるか。書ける人もいますが、単に乱暴な調子になってしまう人もいます。記号や絵文字を使えば「いきいきと」した文章が書けるか。書ける人もいますが、単にうるさい感じになってしまう人もいます。
同じ内容を同じように習っても、文章のトーンは人によって違います。「こころよいリズム」の文章でも、穏やかなこころよさもあれば、賑やかなこころよさもあります。文章の論理性は練習するとして、残りの部分についてはあまり分析的に考えず、書いてみた文章が「こころよいリズム」か「いきいきと」しているか、人に読んでもらうなどしてフィードバックを受けながら改善していくのが実践的なようです(この文章はどうでしょうか?)。
本文中、*ListFreak(リストフリーク)というサイトに触れている部分があります。*ListFreakは2005年11月に開設したリスト収集・共有・活用サイトです。
*ListFreak - 世の中の知恵やコツを「リスト」で共有するサイト
株式会社アーキット代表、グロービス経営大学院客員准教授。「個が立つ社会」をキーワードに、個人の意志決定力を強化する研修・教育事業に注力している。起-動線など複数のサイトを運営。ネットメディアへの寄稿も多い。外資系コンサルティング企業時代にシリコンバレー勤務を経験。
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