アルファブロガーになりたくて──アウトプットにこだわる「CREAMU」川下さんひとりで作るネットサービス(1/2 ページ)

たとえ大ヒットしなくても作り続けることに意味がある。アウトプットすることでしか成長できないから──。ネット、ブログ、音楽といった多くの趣味を持ち、デザイナーである傍らネットサービスの開発も手がける川下さんが目指すものとは。

» 2008年03月21日 17時35分 公開
[田口元,ITmedia]

 ひとりで作るネットサービス第25回は、ネット企業にデザイナーとして勤める傍ら、ネットサービスの開発、有名ブログの運営、バンドでの作曲・パフォーマンスなど、幅広く活動されている川下城誉さん(29)に話を聞いた。「常に上には上がいる。がんばるしかない」と力強く言い切る川下さん。その仕事術とはどういったものだろうか。

「アウトプットすることによってしか成長できない」

 「自分でネットサービスを作って得たことは、『どうやったら、はやるサービスを作れるか?』を常に考えられるようになったことです」。川下さんは個人の生産性を高めるためのサービスを作っているが、本人も認めるようにヒットしているわけではない。ただ、作り続けることによって得るものがある、ときっぱりと主張する。

 作ったネットサービスの中でも自分でよく使っているのが「TimeHacks」。「○○時までに○○をする」を登録していくだけのシンプルツールだ。同様のコンセプトで開発されたTaskpad.jpを参考にしつつ、経過時間の記録が残るように工夫した。たったそれだけのシステムだが、なにかと邪魔が入りやすい仕事環境において「今何をすべきか」を常に把握しておくことができる。

 TimeHacksで使った技術はPHPMySQL。現在の仕事はデザイナーだが、1年間ほど社内システムを開発するプロジェクトを手がけたこともあり、その経験を生かして開発した。

 「ただ、開発には数カ月かかったと思います。コードの行数はたいしたことないのですが……」。自分だけで作る初めてのネットサービスだった。ああでもない、こうでもない、と悩む日々が続いた。途中でくじけそうになったことも多かった。ただ、ネットでは個人でがんばっている人がたくさんいる。そうした人の活動を見るたびに自分を奮い立たせ、最後までなんとか作りきった。


川下さんが作成したネットサービスの一部
TimeHacks 時間管理ツール
Aim 目標管理ツール
Atodeyaru? ToDoリスト

 その後も目標管理できる「Aim」、簡単なToDoリストとして使える「Atodeyaru?」などを立て続けに開発した。「サービスとしてまだまだなのは分かっています。でもそうした経験を通じて、何がだめなのか次はどうすればいいのかを知ることができます。アウトプットすることによってしか成長できないと思うのです」

 企業に勤めていても、自分が何をできるかを考え、アウトプットをしていかなくては──そう川下さんが思うようになったきっかけは有名ブロガーたちとの出会いだった。

 →次ページ:「アルファブロガーになりたくて」

左は川下さんが運営するブログ「CREAMU」。右は自分で作成し、自身でも使うという時間管理ツール「TimeHacks
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ