各段階における対処法──当たり前の行動に注目する目立ちたがり屋クンの扱い方(2/4 ページ)

» 2008年05月12日 16時18分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 時には、本人が適切な行動を知らない場合があります。すると、何が適切な行動か教える必要があります。今、すごく勢いのある会社がどんな会社かというと、あいさつや返事、靴を脱いだらそろえるといったことを教えている会社なんです。笑いごとじゃないんですよ。言われたら返事をする、目を向ける、靴を脱いだらそろえられる、掃除する、といったことは、本来は子供時代に学ぶことですが、知らない人もいるのです。基本的なビジネスマナーが大事だと言われているのは、それがマナーとすら知らない人がいるからです。

 適切な行動を知らない場合は教えればいいんですが、不適切な行動だと知っていてやっている場合は、このような対応をしていきます。

第2段階の対処法──けんかから降りる

 第2段階で大事なのは、けんかから降りることです。例えば、自分が先輩で、後輩の女の子が突っかかってきているとします。彼女が「○○さんは経験があるからいいかもしれませんけど、私だって一生懸命やっているんですよ!」みたいな感じで言ってきたことに、「なに言ってるの、この子は!」と対抗すると、その彼女はずっと、私だって、と歯向かってきます。そのけんかから手を引くことです。私は一生懸命やっているんです! といったとしたら、「なるほど、あなたもがんばってきたんだね」といって、話を聞いてあげてください。

 けんかに負けてあげるほうが、さらに器は大きいです。だから、できれば負けてあげてほしいですね。もちろん、業務の成績を落とすということではなくて、対人関係のやり取りで負けるという意味です。

 「私だってがんばっているんです!」という人に限って、こちらから見ると往々にして仕事ができないということがあるものです。そういう人に仕事を任せるのを不安に感じることもあるでしょう。でも、その人に対して「ちゃんとできてないじゃない」と責めると、「そんなことないです!」と、余計意地になって、自分ができないことを受け入れずにがんばってしまいます。

 そういう場合は、重要な案件を任せて失敗するのは困るので、これなら融通が利くという案件を1つ選んで、やらせてみます。任せる際は、「じゃあ、○○さんは本当に信頼できるから、1回やってごらん。いつぐらいまでにできそう?」「3週間でできそうです」「3週間でどこまで?」「私だったらここまでできます」というように、本人に明確に宣言させてください。1年も2年も先だとよく見えないので、2、3週間先くらいを設定します。1年くらいのプロジェクトでも「じゃあ1週間でどこまでできる?」と聞いて、「ここまでできます」と説明させます。

 期限が来たら、今度はそれを嫌みでなく、冷静にチェックしてください。1週間たって「どう? どこまでできた?」と冷静に聞くと、おそらく「いや、ちょっと……」となるでしょう。たぶん1回じゃ済まないと思います。「実は先週は××課長に仕事を頼まれて時間が取れなかったんです。本来だったらできてるんですよ」みたいに言い訳するかもしれません。でもそのときも、「そんな言い訳をするな!」ではなくて、「ああ、そう。じゃあ、仕方ないね。次回までにできる?」と聞きます。そうしたら「今週は忙しくないので、ここまではできると思います」などと言うでしょう。それでもう一度やらせてください。これを3回くらい繰り返すと、さすがにその人も分かってくるはずです。

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