各段階における対処法──当たり前の行動に注目する目立ちたがり屋クンの扱い方(3/4 ページ)

» 2008年05月12日 16時18分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 そこでこちらが責めると戦いになり、その人はどんどん言いをするのです。言い訳なので、いくらでも出てくる。でも、こちらが「言い訳しなくていいんだよ」という態度で戦う姿勢を示さなかったら、向こうも言い訳できなくなるのです。こんなことを3、4回やると、「先輩のおっしゃるやり方もいいかなと思います」というようなことを言ってくれると思います。そうしたら、「ああ、そう思ってくれたんだ。じゃあ、それでやろう」と言えばいいのです。

 「それじゃできないでしょ」と責めるから、相手は余計に火が付くのですね。そこで戦い続けると、もっと悪い状況になります。そのうち、仕事ができる、できないではなくて、どうやってこの先輩を邪魔するか、みたいなことになり、足を引っ張るようになってきます。例えば、チームを組んで仕事をするときに、みんなは必死に自分の担当分をこなしてきたのに、その人がそろえるべきデータだけが間に合わずに、仕事にならない、といった感じです。そうすると、周りはあきれて腹も立たないですね。この段階になると、その人はもう勝とうとはしていません。傷つける第3段階に入っています。

 なぜそうなったかというと、さんざんけんかをしたからです。こちらのロジックが正しいのは明白です。その人はいろいろ言い訳をするけれど、こちらとしても「私だって、○○さんだって、△△さんだって、みんな忙しいのにちゃんとやってきた。あなたは何を言い訳ばかりしてるの!」と責める。そうすると、その人はどんどん追い詰められて、最後にフッと復讐の段階に入ってしまいます。だから、けんかに負けてあげないといけないわけです。けんかには負けて、人間として勝ってほしいですね。そうすれば最終的には勝てますから。

第3段階──アクションを起こさず静観する

 第2段階までは、こちらの対処で状況がパッと変わることがあります。しかし、この第3段階から、なかなか変わりにくくなります。第3段階では、あんまり下手な動きをしないほうがいいです。観察はしますが、それに対してアクションを起こさないでほしいのです。アクションを起こすと、相手はそれに対して必ず、逆にして返してきます。

 合気道のように、すべてのアプローチを全部、ひねって返されます。やさしい言葉をかけると、「いや、そんなこと言ってくれなくていいですよ。私1人でやっていますから」というような返事をしたり、こちらが怒っても褒めても何をしても、ひねって返してきます。だからといって、ほったらかしにすると次の段階に行ってしまうので、ほったらかしてはいけません。「私はあなたのことを見守っているよ」という姿勢を持ちつつ、あまりアクションを起こさないことです。

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