各段階における対処法──当たり前の行動に注目する目立ちたがり屋クンの扱い方(4/4 ページ)

» 2008年05月12日 16時18分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
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各段階の対処法を電話での会話に例えると

 各段階の対処法を、電話での会話にたとえて言うとこんな感じです。第1段階は、伸ばしたい発言に相づちを打ちます。

 第2段階は、「ああ、ごめんね、私が悪かった」とか「私のやり方も、ちょっと考えなきゃね」といって、自分が折れる、負ける、引き下がる発言をします。

 第3段階は、とりあえず電話の受話器を置かずに、向こうが泣いたり、わめいたり、怒ったり、落ち込んだり、悲しんだりするのを、「うん、なるほど。うんうん」とずっと聞きます。受話器を持ったまま、1時間でも2時間でも、こちらからは発言せずに聞いてあげることです。

 第4段階では、誠心誠意、愛情があることを伝えて、いったん電話を切ります。ただ、ガチャンと電話を切ると、相手は冷たく切られたと思うので、冷静に。「たぶん、あなたは1人になったほうがいいと思う。私はずっとあなたのことを見守っているし、あなたがまた話したいと思ったら、こっちはいつでも用意しているから。今は電話を切るね」と。

 そうしたら、かけてこないかもしれないし、かけてくるかもしれません。期待はしないでください。アプローチすると状況を長引かせるので、期待すると、いつまでたってもかけてきません。たいていは、「じゃあ切るね。その代わり、いつでもかけてきてね」というと、しばらくすると向こうからかけてきます。

 引きこもっている相手に「出てきなさいよ」と言うのが、第4段階ですべきではないアプローチです。そっとしておいたとしても、たまにのぞいたりして、ずっと部屋に意識が向いていますね。第4段階では、意識を向けず、いったん置いておくしかありません。例えば、引きこもっている子供を置いて母親が海外旅行に行って、帰ってきたら良くなっていた、なんてことはよくあります。お金を置いておくなり、ちゃんと生活できるようにして、「あなたも1人でいたほうがいいと思うし、お母さんも1人で少し自分のことを考えたいと思ったので、1週間くらい、イタリア旅行に行って来るね」と。海外に行ってしまうと、意識の向けようがありません。いったん、意識をほかに向けて、置いておくのがいいのです。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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