【番外編】学生時代の開発チーム3人が再集結――撮った画像がスライドショーになる「Smillie!」ひとりで作るネットサービス(2/3 ページ)

» 2008年05月26日 12時30分 公開
[田口元,ITmedia]

寺島さんも誘って立ち上げた、大学の授業情報サイト「SFC★MODE」が評判に

寺島幹人さん

 「ケータイサイト作ったらケータイあげるから。通信料も払ってあげるよ」。ある日、研究室の教授にそう言われた。ちょうどiモードが話題になり始めたころだった。「これはやるしかないでしょ!」。そう思い立った閑歳さんは友達と2人で早速プロトタイプを作り上げた。

 お目当てのケータイはプロトタイプを作った時点でもらうことができたが、せっかくだからと本格的に作り込むことにした。そう思い立った閑歳さんはプログラミングに詳しそうな笠谷さんと、サークルの後輩だった寺島さんと、もう1人の友達に声をかけて作業を始めた。

 当時は圧倒的にPCユーザーが多かったので、PC向けの画面を作り込んでいった。掲示板も用意して授業に関する意見を投稿できる場も作った。「SFC★MODE」と名づけられたこのシステムは、あっという間にキャンパスに広まっていった。生徒のみならず、先生も事務スタッフも使ってくれた。ユーザーが十分に増えたところでケータイ版の開発にも着手した。


笠谷真也さん

 「学食でどういう機能を使うか議論していたら、隣のテーブルで『SFC★MODE』の話をしていました。すっごい便利なサービスがあるよ、知ってる? とその人たちの話を聞いた時は本当に感動しました」。当時はみんなに使ってもらえるものを作りこんでいくのがとにかく楽しかった。学校に泊り込んでの作業もまったく苦ではなかった。

 ただ、彼らが卒業したあと、「SFC★MODE」は閉鎖することになる。「最初に作り上げるのと、作り上げたものを管理するのではやっぱりテンションが違いますよね。残念でしたが、そのテンションというか、熱意のすべては後輩に伝えることはできませんでした」

 卒業後は閑歳さんは日経BPで記者、寺島さんはSo-netでコンテンツの開発職に就いた。笠谷さんは「SFC★MODE」を作っていた頃、たくさんの企業から声をかけられていた。いったんは就職するが、すぐに学生のときから立ち上げに携わっていたベンチャーに戻り、CTO(Chief Technology Officer)を担当することになった。

「また、ネットサービスを立ち上げたいね」大学卒業後しばらくして再び集まった3人

 その後しばらくはそれぞれの道を歩んだ3人だったが、ときどき連絡は取っていた。ある日、笠谷さんの会社でコミュニティーサイトを立ち上げる企画が持ち上がった。「いつかまた、ネットサービスを立ち上げたいね」と話していた3人は、ブレストをするために集合した。そのブレストを進めていくうちに、閑歳さんも寺島さんも、笠谷さんの会社で働かないかと話を持ちかけられた。「その方が良さそうだね」と結論に至った2人は笠谷さんの会社に転職。コミュニティーサイトの立ち上げに参画した。

 ただ、そのコミュニティーサイトは思ったようにはうまく行かず、2人は結局システム開発の業務に携わるようになった。そして数年が過ぎ、2007年末に閑歳さんは退職する決意をする。「BtoBのシステム開発もいいのですが、もっとユーザーよりの仕事がしたくなってしまって。具体的にどうするか決めていませんでしたし、今も決まっていないのですが(笑)」

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