どんなに荷物が重くても 海外出張には双眼鏡とGPS樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

小さい時から双眼鏡にあこがれてきた筆者は、仕事の出張にも双眼鏡を持って行く。忙しい海外出張でも一服の清涼剤になることがあるのだ。

» 2008年05月29日 11時19分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 昔、遠足には、カメラを持っていかなくても双眼鏡は持って行ったものだ。最近は、双眼鏡を持ち歩く人が本当に少なくなってきた。これはもったいない。双眼鏡は、デジカメとは比べようのない、拡大と迫力を持っているのだ。珍しいところに行くのであれば、持って行かない手はない。

 小さい時から双眼鏡にあこがれてきた筆者は、仕事の出張にも双眼鏡を持って行く。

 海外旅行の機内では、双眼鏡(ミノルタ「COMPACT AF8 8x23」)が大活躍。手荷物に入れているので、さっと取り出して夕暮れの景色を眺めたり、シベリアを越えてヨーロッパに向かう間のツンドラ、アフリカの大ジャングル、ミャンマーの美しい海岸――双眼鏡が手放せない。初春、ニューヨークに向かう機内から、アラスカ沖の氷を砕きながら進む砕氷船が見えたり、夜中にオーロラが見えたこともある。最近は、デジカメ付きの双眼鏡(ケンコー「Bino Catch」)も使っている。忙しい海外出張でも一服の清涼剤になるのだ。

 東南アジアを旅した時も双眼鏡がなければ、アンコールワットやアンコールトムの印象が違っていただろう。ネパールのカトマンズに駐在していたころは、土砂崩れで山道を歩いた時にも、眼下の景色、無数の谷や滝を双眼鏡でのぞいていた。 ネパールでは双発の小型機でヒマラヤの8000メートル級の山々を越えた。人生最高のパノラマの景色だった。これも双眼鏡なしには考えられない。

ミノルタ「COMPACT AF8 8x23」(左)とケンコー「Bino Catch」
船舶や鈍行列車で行くようなゆったりとした旅の場合、単眼鏡も持ち歩いた

 双眼鏡とセットでGPS端末(GARMIN「POKENAVI」)も持ち歩いた。紀行文を書くのが趣味の筆者は、GPS紀行文を書いていたのだ。例えば1995年にアンコールワットを訪問した時の紀行文日記には、

  • 「アンコールワット(GPS情報 N13,24,37 E101,51,48)
     美術的な話については、下手な説明を加えないほうがいい。人類も本気になってやれば、これだけのものを造ることができるという証明だ。ましてや、その周辺の4つの回廊760メートルの高さ4メートルほどの彫刻は、驚(異、嘆、喜、愕)である。
     王朝の滅んだ後、フランス人がアンコールワットを再発見しているが、このアンコールワットは 、フランスを始めとする西欧に衝撃を与えただろうと推測できる。それだけの強烈な文化の量感と質感がある……(略)」

 などと書いている。こんな風にネパールではGPSを必ず持参していた。大体の位置を把握できれば、「あと1時間で町に出るので、昼食だ」という予測もできるのである。

EMPEXの「map21EX」(左)とGARMINの「POKENAVI」

 機内でも窓側でGPS測定は可能なこともある。国内では、地図を表示できるEMPEXの「map21EX」を使っている。国内のフェリーや鈍行列車の旅行では楽しく使えるのだ。さらに高度計(EMPEX「Field SystemII」やカシオ計算機「PROTREK」)があると、山歩きや、列車の旅行ががぜん楽しくなる。機内はもちろん、関門トンネルなどの海底トンネルなどでは正に潜っていくことを体感できる。ユーロトンネルで高度がマイナスになった時には、隣の乗客も熱心にのぞき込んでいた。これからは、高度計紀行文も書こうかと思っている。


今回の教訓

双眼鏡で太陽は見ないように――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンズ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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