GTDを実践しているとリストをいくつか管理することになるが、このリストにタスクが多くなってくることがストレスになる人もいる。デビッドさん自身、「こんなにたくさんのタスクがある……」と気分がめいってしまうことはないのだろうか。
「まず理解しなくてはいけないのは『やるべきことは決してなくならない』ということです。GTDは実践したからといってそれらがすべて片付くわけではありません。GTDを実践する意味は、それらを完ぺきに把握し、今やらなくていいことをはっきりさせることです」
デビッドさん自身は、たくさんの項目が並んだリストを見ると次のように感じるという。「あぁ、これだけやりたいことがある。でもそれらはすべてここに書いてあるから安心して今日は寝よう!」
GTDはうまくいく考え方であり、ツールはどんなものを使ってもかまわない。その人自身のライフスタイルに合ったものを使えばいい。ただ、ほかの人がどうツールを使っているかを聞くことで参考になることもあるだろう。デビッドさん自身はどういったツールを使っているのだろうか。
「会社で使っているのはLotus Notesです。ここにやるべきことのデータベースが数十個管理されています。それらをPalmのTreoと同期させて、いつでもレビューできる体制を作っています。またアナログツールとしては、机の上の書類トレーに『読むべき書類』を管理し、日々のタスクはTickler File(1月〜12月、1日〜31日を管理する43のフォルダ)でも管理しています。」
またこうしてToDoを管理するのとは別にMindManagerというマインドマップのツールも使っている。1年前まではマインドマップは必要なかったが、やるべき仕事が増え、全体を見渡す必要が出てきたので導入を決めたという。MindManagerは、Lotus Notesと連携できる機能が気に入っている。なにか意思決定をするときはこのマインドマップを見直すようにしているという。
空手を習っていたデビッドさんは、頭の中に何もない状態こそが最も集中できる状態だと理解していた。どうしたら頭の中なら雑念を取り除くことができるか、それを突き詰めて考え続けた結果がGTDのプロセスになっているという。
「GTDは私が行き着いた最もシンプルな手法です。私はあまりにも怠け者なので、シンプルなやり方じゃないと続かないのです。もっとシンプルなやり方がないかずっと探してきましたが、まだ見つけることができていません。もしあなたがもっとシンプルなやり方を見つけたらぜひ教えてください」
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