就職氷河期世代、ロストジェネレーション、貧乏くじ世代――何かと同情されることの多い30代前後の世代。何とか入社した会社では、少ない人員の中でサービス残業もいとわぬ覚悟で働いてきた方も多いはず――。そうした状況に違和感を覚えている方も多いのではないでしょうか。KCCSの早田部長がそんな疑問に回答します。
就職氷河期世代、ロストジェネレーション、貧乏くじ世代――何かと同情されることの多い30代前後ビジネスパーソン。厳しい就職戦線を潜り抜け、ようやく社員になったものの、会社の新規採用はストップ。入社以来、少ない人員の中でサービス残業もいとわぬ覚悟で働いてきた方も多いはず――。
今回始まる「○○部長、教えてください!」は、そんな30代前後の世代を応援するコーナー。各社の部長に仕事の悩みを相談してみよう。最初に答えてくれたのは、京セラコミュニケーションシステムの早田麻子(はやた・あさこ)事業部長だ。
今年の4月からグループ会社に出向しています。まだ会社の雰囲気に慣れておらず、業務のやり方もよく分からないので、人一倍時間がかかってしまい残業が続いています。慣れてくれば早く帰れると思って頑張っているのですが、ほかのスタッフも毎晩遅くまでサービス残業をしている姿をみて、正直今後早く帰れるようになるのか不安です。
相談できる相手もおらず、たまに同期の人間に会うとグチばかりこぼしてしまいます。いま問題になっている「サービス残業」は見て見ぬふりをして、ビジネスパーソンとして頑張るべきなのでしょうか。
まず、「サービス残業を見て見ぬふりをして頑張るべき」ではありません。サービス残業は誰も望まないし、あなたにとっても会社にとってもいいことではない。出向先だってあなた自身だって効率的に生産性を上げて、生き生きと働くことが一番いいに決まっている。恐らく出向先なので出向元の会社からも実態が見えていないのでしょう。
ではどうするか。まずは自分なりの改善案を考えること。1人で始めてもいい。「周りがこうだから」と愚痴を言うのではなく、「現状こういう状況だけど、こういう風にしたら改善できると思います」と声を上げる勇気を持つこと。誰も声を上げない“裸の王様状態”こそが悪いのです。
そもそも、どうして残業をしなくてはならないのでしょうか。現状の業務を洗い出して、上層部に訴えてみては? もちろん納得してもらうにはロジックが必要です。面倒かも知れませんが、そのために現業を分析して、リポートを書くべきです。状況を少しでもよくしたい、引いては自分自身を改善して人生豊かにしたいと思っていれば、必ず行動に移せるはず。
そういう意味ではあなた自身にも「本当にサービス残業が嫌なのか? 本当にやりたくないのか?」と問い直すべきでしょう。その上で、「業務改善が面倒くさいな」と思うのであれば、サラリーマンに徹していただきたい。
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)東日本ICT営業本部東日本ビジネスイノベーション営業部事業部長。京都市出身。1994年、同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。同年、山一證券入社。1996年、KCCS入社。1997年、情報通信営業部東京営業所に赴任。2001年、首都圏営業1課責任者。2002年、首都圏営業1部副責任者。2003年、ネットワークシステム営業部 ソリューション営業部副責任者 兼 ソリューション営業課責任者に就任。2006年 IPサービス事業本部 IP サービス東日本営業部 副事業部長に就任。2007年、東日本ICT 営業本部 東日本ビジネスイノベーション営業部 事業部長に就任現在に至る。1女児の母。
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