出張・旅行に折りたたみ自転車のススメ フライ&サイクルの時代樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

筆者は重さ6.5キロの持ち運びできる自転車「トレンクル6500」に乗っている。スーツケースにぎりぎり入るので国内の出張なら事前に宅配便でトレンクルをホテルに送っておくのだ。

» 2008年07月30日 12時16分 公開
[樋口健夫,ITmedia]
「トレンクル6500」。価格は18万4800円

 筆者は重さ6.5キロの持ち運びできる自転車「トレンクル6500」に乗っているが、この自転車のロックが重さ1キロのゴツいワイヤータイプ! 真っ赤で目立つ、この太いロックはたすき掛けして走ると、すごく目立つ。さらに、セカンドワイヤーロックまで持って合計9.5キロとなる。

 トレンクルは素材がチタンだから軽い。さらに特注で、トレンクルのタイヤとチューブの間にケプラー繊維のベルトを敷いたので、釘が刺さってもチューブは破れない。4年間乗っているが、まだ一度もパンクしたことがないのである。

 トレンクルは、スーツケースにぎりぎり入るところがすごい。だから国内の出張なら、トレンクルを事前に宅配便でホテルに送っておく。ホテル到着後は、雨でも降らない限り、どこに行くのも自転車だ。

スーツケースにぎりぎり入る

新幹線に乗るなら最後部席

 自転車があると歩くよりも気楽に遠出ができる。急な坂でもトレンクルのような軽い自転車ならこげずとも押せばいい。調子に乗って遠く行きすぎたとしても折りたたんで電車やバスで帰れるのもポイントだろう。もちろんタクシーのトランクにも入れられるが、電車やバスで帰れるのに、わざわざタクシーに乗ることもない。

 そう意味では自転車は折りたたみタイプに限る。大きな自転車で軽量の自転車はたくさんあるが、折りたためないと通常の交通機関と組み合わせが難しくなるのだ。

 なお、電車に乗る場合には、いくつかの注意が必要だ。ラッシュは絶対に避けること。いくら軽くても、折りたたんだ自転車がむき出しでは、危険なこともある。改札や乗務員に注意されることもあろう。新幹線でも自転車が少しでも見えると、カバーするように指摘される。

 だから、大きな自転車専用の布バッグに入れることにしている。在来線では、大きな青いエプロンを掛けて持ち込むこともある。なお、新幹線に乗るときは車両の一番後ろの座席を指定。最後部席の裏側、三角形になっているところに、置くことにしている。

 筆者はエイリアンの頭のような大きな自転車ヘルメットが嫌いだ。もっとスマートなデザインがあってもいいと探し出したのは、外側は皮で中にウレタンが入った柔らかいフランス製ヘルメット「カスク(レザー)」。これだと自転車に乗っていない時は、小さくたたんでカバンにもさっと入る。このソフトヘルメットを普通の帽子の上に着用するのだ。


国内から海外へ――「フライ&サイクル」の時代

 自転車の視点で見ながら走れば、旅行先や出張先の地理も覚えられる。例えば筆者の故郷の京都。市内は、地下鉄と自転車を組み合わせたら、どこでも簡単に行ける。京都の路地は狭いから自転車にぴったり。京都のほか、北は北海道の十勝や苫小牧、南は鹿児島の屋久島や桜島、宮崎県の都城、長崎の佐世保も、自転車で走った。そこでいよいよ海外に打って出ようと考えている。

 海外で走るのに最も問題になりそうなのは、荷物――筆者は特にたくさん持っていくからだ。いつもなら2台持っていくPCを1台に減らし、アイデアマラソン用のノートもページ数を減らしたものにし、読みかけの単行本を文庫に切り替えるなど、涙ぐましい努力(?)の結果、背中に背負えるタイプのキャリー付きバックを担ぐことになる。とても出張に見えないし、よく見るとスーツで自転車をこいでいるというさらに不思議な姿となる。

 空港からさっそうと自転車で走りだすのが最終目標だが、まずはスーツケースで、ホテルまで自転車を入れていき、ホテルを中心に走るのが現実的だろう。

左は新幹線で出かける際に掛けるカバーを持ったところ。右は海外の出張を想定した装備

 自転車で駅の近くに行き、電車で移動する方法は「サイクル&ライド」と呼ばれるが「フライ&サイクル」の時代が来たのかもしれない。筆者はこれから、台湾、韓国、ハワイ、そしてバンコクやシンガポールで馴らし運転をするつもりだ。そして、ヨーロッパで自転車で走ってみたい。20キロの手荷物の半分が自転車になる計算だが、実際筆者にそれができるかどうかである。解決策はビジネスクラスで行くことだ。

 荷物の少ない海外旅行者なら、エコノミークラスでもトレンクルを使えば乗れるはず。いつも交通手段を持参する海外旅行は最高ではないだろうか。いよいよ、電動アシスト自転車で10キロを切るものが出てきている。筆者の中の買い物の虫がまた動き始めた――。

今回の教訓

I can fly――and, cycle!


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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