「衝動買い」や「無駄づかい」が起きるわけシゴトハッカーズ(2/3 ページ)

» 2008年09月04日 12時30分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

大橋 『ベンジャミン・フランクリン 富を築く100万ドルのアイデア』という本で紹介されていた方法ですが、毎月入ってくるお金を一定のルールに従って複数の口座に振り分けていくことで、自動的にお金がたまるようになる、というものです。

 複数の口座の内訳は、

  1. 入金専用口座(マスター口座)
  2. 月次定例支出口座
  3. イレギュラー支出口座

 の3つです。給与はもちろん、あらゆる収入を(1)の口座に集まるようにします。この口座を「マスター口座」と呼ぶのですが、この口座は引き出しにくいもの(店舗が遠いなど)にしておきます。毎月1回、必要なお金をマスター口座から(2)と(3)の口座に移します。(2)の月次定例支出口座とは文字通り毎月定例的に発生する支出の受け口です。水道光熱費、電話代、家賃、保険料、税金、などです。

 いずれも年間を通して見通しが立つものといえます。(3)のイレギュラー支出口座は、(2)以外のすべてです。例えば、今月は結婚式がある、とかエアコンを買う、といった不定期に発生する支出の受け口です。このように支出を目的に応じて分けることで、月に1度マスター口座からお金を移す際に、今後1カ月以内に発生する支出をすべてはじき出すクセがつきます。必要な金額しか引き出せないため、残ったお金はそのまま「マスター口座」にたまっていくわけです。

Biz.ID なるほど。自分のお小遣いは、マスター口座から引き出すのでしょうか? Amazonで買う本のカード引き落とし口座はマスター口座?

大橋 イレギュラー支出です。会計の考え方に沿えば、定例支出は固定費、イレギュラー支出は変動費と考えるといいかと思います。節約が必要になったら、まっさきにイレギュラー支出から出て行くお金に目を向ければいいからです。クレジットカードも、それぞれの口座にひもづけています。

Biz.ID イレギュラー口座に2万円しか入れていなければ、そもそもAmazonでの無駄使いとかも2万円までと、そういう感じでしょうか。

大橋氏が利用している書籍などの情報管理サービス「MediaMarker」

大橋 そういう感じですね。Amazonに関しては、MediaMarkerを使うことで、リアルタイムに使っている金額が分かるので、これが指標になります。

Biz.ID なるほど。ときに、よく無駄使いの元凶とも言われる、クレジットカードについては、どう考えればいいのでしょうか?

佐々木 私自身はクレジットカードで、けっこう“金銭管理”している気がしているので、無駄づかいの元凶というイメージはないのですが。クレジットは、使ったそばから記録が残るし、それをオンライン上でチェックすることもできます。これを使うことで、消費を将来の収入に応じて分割していける感覚が好きです。三井住友VISAカードはVpass会員になることで、使用状況をオンラインで確認できます(三井住友VISAカードのページ)

Biz.ID VISA以外にもJCBとかもオンラインで、ほぼリアルタイムに確認できますね。僕の使っているポケットカードは全然リアルタイムじゃなくて、使えないんですが。

大橋 僕はMoneyLook3を使って、複数の銀行口座やカードの明細をチェックしています。万人向けではないかもしれませんが、毎月29日に、各クレジットカードの明細を家計簿ソフトに入力して、合計額が引き落とし額と一致しているかを確認しています。一度、不正使用があったのですが、この習慣のおかげですぐに発見でき、対応してもらえました。

Biz.ID MoneyLook3って家計簿ソフトでしょうか?

大橋 オンラインで取引のできる金融取引のアカウントアグリゲーションサービスです。

Biz.ID なるほど。最後にみんながすぐに取り組める小技があったら、ご紹介いただきたいのですが、

佐々木 欲しいと思ったら、(特に本ですが)とりあえず、1週間先に自分にリマインドするようにします。リマインドするためのツールには、Stickiesを使っています。

大橋 僕は、MediaMarkerに「ウィッシュ」として登録しておき、毎日この「ウィッシュ」の商品リスト(本以外でも登録できます)を眺めるようにしています。リストの中で、相対的に最も欲しいと思えるものをリストの一番上に持ってきます(編集 → 更新)。こうすることで、「あれも欲しい、これも欲しい」という状況に置かれるため、「とりあえず、今月は自重しておこう」という結論にいきやすくなります。

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