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» 2008年09月29日 10時00分 公開

部下をやる気にさせて育てる指導術:学びは会議室で起きているんじゃない! (1/2)

部下をどうやって教育していきますか。部内ミーティングを増やす? 個人面談? 会議に参加させる? 確かにそれも重要です。しかし、部下達の中では、「学びは、会議室で起きているんじゃない!」のです。インフォーマルな時間を活用して、部下の心に届く、学びのメッセージを伝える方法を紹介しましょう。

[水野浩志,ITmedia]

 企業研修の一環として管理職・マネージャー研修を行うと、当然ながら部下を教育していきましょうという話になるわけです。では、どうやって教育していきましょうか、という話をすると、皆さんたいていの場合、

  • 「では、部内ミーティングを増やして部下とコミュニケーションを……」
  • 「ならば、個人面談を月1回行うことによって……」
  • 「いっそ、○○会議に部下達を参加させて……」

 といった話をし始めるのです。なるほど、確かにそういった方法もありますね。こういった場での教育・指導は大変重要なものですから。

 ですから、その考えについては全く反論するつもりはありません。ですが、あえてその時に、私は決まって言うセリフがあるのです。「学びは、会議室で起きているんじゃない!」と――。

部下の記憶に残る教育とは

 現在、部下を抱えている皆さんも、以前は新人であり、上司や先輩から色々と指導を受けて来たはず。ここで、ちょっと昔の自分を思い出してほしいのですが、あなたが上司や先輩から学びを得たと感じた時のシチュエーションはどういった状態だったでしょうか。

 「いやあ、課長が2004年度の第3四半期会議でおっしゃったあの発言が、私が仕事に取り組む心の支えになっております」なんて言う人、どれだけいますか?

 おそらく「学びを得たシーンは」という質問で、そういうシチュエーションばかりを思い出す人は少ないはずです。むしろ、会議やミーティングといった会議室で行われた話は、叱られたとか、注意されたといった、ネガティブな想い出しか浮かばない人が多いはずではないでしょうか。

 私も、研修の現場でよく参加者にこの質問をするのですが、会議室で受けた指導が今の自分を支えている、という人はまずいませんでした。どちらかと言えば、

  • 顧客先に向かっている移動中の会話
  • 仕事の合間の休み時間に話した何気ない会話
  • 居酒屋でビール片手に語り合った会話

 といった「インフォーマルな状態での会話」の方がよく覚えているものです。つまり、学びは会議室で起きているのではなく、何気ない現場で起こっているのであります。

インフォーマル教育に目を向けよう

 もちろんフォーマルな環境での指導も大切です。その一方、効果が高くより重要なのはこうしたインフォーマル時の教育なのです。

 フォーマル時の教育、いわゆる会議やミーティング、面談といった状況では、部下の心理状態にフォーマルというガードがかかり、頭で理解しようという状態に無意識になってしまうものです。こういう状態だと、頭では理解するのですが、やはり、心理的な壁を作ってしまっているので、どれだけ有効なメッセージを投げかけても、どうしても気持ちや心にまでは届きにくいんですよね。

 しかし、移動中、休憩中、食事中といった、インフォーマルな環境では、部下もフォーマルな状態の時よりはリラックスし、心理的なガードが取れています。気持ち、心にメッセージが届きやすい状態になっていることが多いのです。そんな時に、部下の気持ちに響くようなメッセージを投げかけることができると、心にすっと入り、記憶に残る学びになるでしょう。

 私の研修やセミナーでも、「休憩時間に話したことや、懇親会で何気なくお話ししたことが一番印象に残っています」という感想が少なくありません。やはり受講中における意識と、それ以外の意識とでは、相手のメッセージの受け取り方も、変わってくるのものなのです。

 だから、部下を育てるにあたっては、フォーマル教育もさることながら、インフォーマル教育が非常に重要――というわけです。

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