社内にコンビニ設置、「飲食店がない」を解決――加賀電子「働きやすい」を形に イマドキの福利厚生(1/2 ページ)

職場周辺に飲食店がない。陸の孤島である加賀電子の本社では、従業員の働きやすさを考え社内コンビニを設置。従業員の評判は?

» 2008年11月25日 09時08分 公開
[SOS総務]
SOS総務

 イマドキの福利厚生を紹介している今特集。社内イベント介護出産/育児など家族のために使う休暇、そして、自分のために使う大型休暇を見てきた。これらはすべて業務外の非日常における福利厚生だ。

 今回は日常における身近な福利厚生として、加賀電子の社内コンビニ設置や、「目安箱」から生まれた福利厚生について見ていこう。


地下に設置したコンビニの利用対象者は従業員のみ。開店してまだ日が浅い2007年7月時点で、買い物だけでなくリフレッシュ効果もあると早くも評判に。従業員のニーズや要望に合わせた品ぞろえができるので、コンパクトながら「使える」コンビニとなる

会長や社長あての「目安箱」からクラブ活動誕生

 独立系エレクトロニクス総合商社の大手で、世界的に活動している加賀電子。その業務内容は、一般電子部品、半導体、電子機器の受託製造サービス、各種ソフトウエアや情報通信システムをはじめとした企画、開発、販売など、多岐にわたる。

 1968年の創立以来、同社は家族のように従業員たちを大切にし、尊重してきた。専務取締役管理本部長の下山和一郎(しもやま・わいちろう)さんは、「この会社で働くのがうれしい、楽しいと思ってもらえる環境を目指しています」と話す。

 社内にはフェア精神が徹底しており、経営を含む会社の情報を従業員に公開し、役職などにとらわれず誰もが自分の意見をいえる風土が根付いている。その影響もあり従業員の定着率は高い。また結婚などで退社した人が、何年かして再度就労するケースも珍しくないという。

 そんな加賀電子の法定外の福利厚生は、借上社宅制度、社内融資斡旋制度、各種クラブ活動、ライフサポート倶楽部法人会員、通信教育の支援をはじめ、充実した内容だ。従業員主導で設定したものも多い。

 制度の設定がスムーズにいく要因は、オープンな社風とともに、通称「目安箱」と呼ばれるシステムの存在もあるだろう。これは会長/社長あてのメールのことで、従業員たちは直属の上司だけでなく、直接、会長や社長にも要望や提案を伝えられる。中には福利厚生へのリクエストもあり、そのたびに実現を検討している。

 実現した中で盛り上がりを見せるのがクラブ活動だ。現在、野球、レーシング、フラワーアレンジメントなど8つある。いちばん部員が多いマリンクラブは、釣りやジェットスキーなど海のレジャーを楽しむもの。またゴルフクラブは実力も備わっており、実業団のトーナメントでもいい成績を残している。

加賀電子のクラブ活動

【現在活動しているクラブ】

野球、サッカー、マリン、ゴルフ、フラワーアレンジメント、テニス、ダイビング、レーシング クラブ参加者の合計/200人強

【クラブの設立についてのルール】

●発起人がクラブの新設稟議書を起案

以下の書類を総務部長に提出

部員20人以上の同意書/運営方針/活動スケジュール/活動内容/会社からの補助予算申請額など

●総務部長の決裁後、クラブ費管理用の振込口座を開設

【クラブ員と補助金について】

クラブ員は毎年部費を支払う/会社の補助費は年間活動費の半額


 「従業員たちが仕事でも仕事以外でもイキイキと活動しているのを見るのは、うれしいですね。仕事も遊びも一生懸命、が当社のモットーですから」と下山さん。クラブ活動を通じ、他部署や他営業所との横のつながりも深まっている。

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