受験勉強とは違います――社会人のための「学習目標立案講座」3分で読める! 隣のヤツより成果を出す勉強術(4/4 ページ)

» 2008年12月01日 19時36分 公開
[水野浩志,ITmedia]
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成果を生まなかった勉強

 では、私自身の大失敗をお話しましょう。2000年に独立した私は、サーバのレンタル事業を始めました。それまでも法人営業、システムエンジニア、小売店の店長を務めたことのある私は、さらに会計事務所の職員として会計や税務を学び、MBAの関連書籍も読み漁り、会社を経営するための経験は一通り積んでいると思っていたのです。さらに、システムとWebデザインのプロである2人の友人が参加してくれたので、「うまくいかないわけがない」と思い込んでいました。

 ところが、いざ始めてみると、全く計画通りに進みません。システム開発は遅れ、サービスのリリースは半年以上もズレ込む始末。また、サービスを開始しても、ユーザーはほとんど集められませんでした。知り合いから借りて調達していた当初の資金1000万円は、あっという間に底をつき、支払いもままならなくなりました。結局、2人の友人も会社を去ってしまったのです。

 システム担当がいなくなり、事業継続が難しくなったところで決断せざるを得ませんでした。ユーザーもごくわずかだったこともあって、事業から撤退することにしたのです。1年半の奮闘の結果、残ったものは1500万円の借金と、大きな失望感だけでした。

 今にして思えば、私が経験したこと、勉強したことは、ある程度の資金力が必要な戦略であり、なおかつ事業が立ち上がり、それなりに動き始めたあとで、初めて使えるものばかりでした。要するに、小資本で起業する際の立ち上がり時期において必要な勉強をほとんどしていなかったということが、大きな敗因だったのです。

 まずはコストをかけずに見込み客を集める方法、そのための手法と、成約率を高めるためのセールスレターの書き方――といった顧客獲得のための具体的な手法を、まずは勉強しておく必要があったのです。当然といえば当然ですが、当時の私はそんなことにも全く気が付きませんでした。


 その後、小資本での起業について試行錯誤し、何とか完全廃業の危機から脱しました。そして今、こうして新しい仕事ができていますが、何とかうまくいっている理由は先ほどの大失敗の教訓、

  • 成果を出すまでのプロセスを考え、今そのときに必要なことを勉強すること

 を続けているからだと思っています。もちろん、今必要な勉強だけでなく、将来のためや、教養を深めるための勉強も必要でしょう。それはそれで重要です。ですが、私のような遠回りをしないよう、必ず「成果を生むための勉強」も取り組んでください。その際、今の自分に何が必要なのかを見極めることを忘れないでくださいね。

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著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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