受験勉強とは違います――社会人のための「学習目標立案講座」3分で読める! 隣のヤツより成果を出す勉強術(3/4 ページ)

» 2008年12月01日 19時36分 公開
[水野浩志,ITmedia]

アウトプットで決める、成果を出す目標とは

 ではビジネスの現場において、成果を出すための勉強を行うためには何が必要なのでしょうか。それは、受験勉強で重視されていたインプットの学習目標を立てる前に、まず「アウトプットの目標」をきちんと定める、ということが重要です。さらにアウトプットの目標を定めるには、次のプロセスが必要なのです。

  1. 生み出すべき価値を明確にする
  2. その価値を生み出すプロセスを考える
  3. そのプロセスを実行するにあたっての課題を明らかにする
  4. 最初に解決べき課題を定める
  5. その課題を解決した状態をアウトプットの目標とする

 このプロセスを経て、アウトプットの目標をきちんと決めた上で、インプットの学習目標を立てないと勉強しても意味がないのです。とはいえ、実際によく見かけるのは、このアウトプットの目標を(1)の「生み出すべき価値」として定義してしまうケースです。

 例えば、営業マンが会社から売り上げ1000万円というノルマを課されたとしましょう。成果が出ない人をよく観察すると、この「月商1000万円」を、いきなりアウトプットの目標としてしまい、そして例えば「交渉術」などの勉強を始めてしまうのです。

 しかし、月商1000万円を達成させるためには、いくつかのプロセスが必要なはず。その人が学ばねばいけない勉強は、そのプロセスごとに必要な能力の有無によって決めなければいけません。この「価値を生み出すプロセス」を明確にしないまま勉強をしてしまうと、その学び以前に学んでおかなければいけないことがおざなりになることがよくあります。

 先ほどの交渉術を学んだ営業マンも、交渉術が自らの課題であればいいのですが、それ以前に、顧客のニーズを引き出せていないのであれば、交渉術の前に、ヒアリングスキルを磨かなければいけないはずです。もっと手前の問題もあります。例えば、売り込む商品の知識がないことが問題であれば、まずはそちらを優先しなければいけません。

 このように、まず、ゴールに至る必要なプロセスをはっきりさせることが重要です。そのプロセスの中で自分に必要なことを明確にし、勉強することを心がけてください。

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