本当に必要な自己投資を見極めるのだ シゴトハッカーズ(1/3 ページ)

こんなときだからやっておきたい自己投資。でも、何を学んだらいいか分かりませんよね。達人のお二人がお勧めするのは、少しずついろいろな種類を試すこと。そして、そのため仕方に秘訣とは……。

» 2008年12月04日 22時47分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

大橋さん、佐々木さん、こんなときだから「自己投資が大切」とよくいわれるのですが、何をしたらいいか悩んでしまいます。つい、資格を取るための勉強などを始めてしまうのですが、その資格が本当に必要かどうかは分かりません。こんなやり方でいいのでしょうか?

まず、何をするにも目指すべきゴールがあったほうがいいでしょう。資格取得にしても、それそのものもゴールにはなり得ますが、その先に何を期待するかというところまで明確にしておくことです。

 そうでなくても勉強は単調になりがちですから、常に勉強している手応えを感じられるように工夫する必要があるのです。資格取得に限らず、自己投資というのは、日々の仕事の成果を高めるための「サプリメント」だと思っています。ですから、少しずついろいろな種類を試すことで、自分に合った方法を見つけるのが第一歩になります。

 個人的にお勧めしたいのが、2000〜3000円程度のセミナーを受講すること。たいていのスキルアップ講座や資格講座では、こうした入門コースを用意していますから、先に話を聞いてしまうことです。本を読むよりも時間効率は高くなります。

まずはいろいろ接してみると。ちなみに、こうした講座って、大橋さん、佐々木さんはどうやって探しているのですか?


ニワトリとタマゴなのですが、最初はネットで――ということが多いです。例えば、「ロジカルシンキング」について学びたいと思っていれば、そのキーワードで検索して、見つかった講座なりセミナーなりを受講します。

 そこから先は実はオフラインになります。受けたセミナーの講師や一緒に受講した人たちとつながりができますから、そこから芋づる式に関連セミナーや書籍を紹介してもらうのです。ネットでは広く探すことができる反面、どうしても深さに欠けますから、まずはとにかくどれか1つを選んで「潜って」みるのです。

私は最近、あまり講座を「探す」ということはしていないのですが、過去に一度でもセミナーなどに出ていると、受けたセミナーの講師や一緒に受講した人たちの中に、セミナーを企画している人などがいらっしゃいます。そうした人の講座に誘われて受講してみることなどが多いです。


いろんなジャンルがあるかと思いますが、お二人がこれまで受けた中で、「へぇー。こんなセミナーがあるんだ。しかも想像したより面白いジャンルだった」なんて思ったものは、どんなものがありますか?


「4行日記」ですね。3年前に読んだ『一日5分奇跡を起こす4行日記』という本で紹介されている、日記を書くためのメソッドです。

 本に書かれている通り3年間続けているのですが、「このやり方でいいのだろうか?」という疑問を感じていたので、専任インストラクターが指導するという同セミナーに参加してみたのです。その結果、予想はしていたものの、やはり我流になっている部分を見つけることができたのと、予想外な成果もありました。それは「4行日記」とは別に、自分の強みを見つけるメソッドを知ったことです。

 このように、学んでいたテーマから少しずれた位置にある別のテーマに触れる機会が得られるのもセミナーの良さだと思っています。ちょうど、バスケットボールのピボットのようなもので、その場にいながら、別の攻め口を見いだす感じです。

そういう意味では、GTD関連のセミナーから、予想以上の収穫を得ました。私自身はGTDを実践していないのですが、GTDのやるべきことをすべて収集し、リストアップしてから、それを確実に処理していくというステップがあります。それに興味があるか、それについて語るほどの人からお話を伺うのです。すると、必ず関連するちょっとしたTipsがたくさん話題に上ってきて、これが自分の「ライフハック」に役立ってくれるのです。また、自分があまり気の進まない――例えば「押入の整理」だけにGTDを援用するなど、ちょっとした応用が利くところも、予想以上の収穫でした。

世の中には、有料ではなく無償のセミナーもけっこうありますが、タダのものはどうでしょうか?

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