体験を求め、引き寄せていくことが「たぐる」ではありません。さらに4つの小技に分解できるのです。
ただ気持ちの赴くままに体験を求め、引き寄せていくことが「たぐる」ではありません。せっかくですから、もう少しだけ意識的にアタマとカラダを動かしてみましょう。アイデアパーソンは日々、練習です。
「たぐる」という体験・知識を自分ごと化する技は、さらに4つの小技に分解できます。
区別の仕方を図示するとこうですね(下図)。偶然/意図的(By chance/On demand)の軸、そして知らなかったこと/知っていること(I don't know/I know)の2つの軸で「たぐる」を4分割した格好です。
前回の「たぐる」を分解すると、こんな感じになります。面白いのは、4つの「たぐる」は順序もバラバラで行ったり来たりの自在なつながりを見せているところでしょうか。
例えば、
| 小技 | ケーススタディ |
|---|---|
| 「ぶつかる」 | マンガのコミックで「ナポリ仕立て」を知る 某県のすごい爪切り、との出会い |
| 「思い出す」 | 自分の爪切り習慣と、恥ずかしい出来事 |
| 「押さえる」 | 裁ちばさみをインターネットで検索 |
| 「ほる」 | 爪切り頻度を人に聞きまくる |
「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」のそれぞれについては次考以降で詳しく触れていきますが、まずはなんとなくの雰囲気だけでもつかんでみてください。
今回の先読み『アイデアパーソン入門』、いかがだったでしょうか? 漠然としていた「たぐる」がちょっと近づいてきた感じがしませんか。「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」。これらの小技は恐らくそれほど難しいことではありません。普段からやってる、という人もいるはずです。意識してやっているか、やっていないか、プロフェッショナルなアイデアパーソンになるための境目はその辺りなのかもしれませんね。
次回の先読み『アイデアパーソン入門』は「『ぶつかる』――『たぐる』小技その1」です。お楽しみに――。
大手広告会社勤務。1994年、大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(阪急コミュニケーションズ刊、2003年)、『アイデア会議』(大和書房刊、2006年刊)がある。
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