開米 実はここで大事な話がひとつありまして、それは、
多くの要素を本質的な構造に合った順番で並べておくと、複数のストーリーを表現することができる
という法則です。
庄司 「多くの要素」というのは、ドラえもん、のび太、ジャイアンのこと?
開米 そうです。
庄司 じゃ、「本質的な構造」というのは……?
開米 実は、「ドラえもん」というマンガの中では、ジャイアンとドラえもんが直接対決をすることってほとんどないんです。ドラえもんはあくまでも「のび太がジャイアンに対抗するためのサポーター」なんですよ。だから、「ジャイアン〜ドラえもん〜のび太」という順番にしてしまうと、ストーリーが描けませんよね?
庄司 うーん、そうですね、こりゃ描けませんね。のび太が真ん中に来ないとダメですね。あ、つまりそれが「順番を決める」ってことなんですね?
開米 そうなんです。この3人の人間関係においては、
ジャイアン〜のび太〜ドラえもん
というのが本質的な構造です。のび太が真ん中でなきゃいけない。で、この本質を押さえておけば、さっき描いたように「いじめる→泣きつく」のラインと「ひみつ道具→逆襲」のライン、両方のストーリーをその上に乗せられますよね?
庄司 そうですね、はい……そうですね、確かに。
開米 もう一度言いますが、それができるのはこの3人の人間関係の
本質的な構造を踏まえた順序づけをした
からなんです。それをしてあれば、そのまま自然に複数のストーリーを理解へと発展させられるんですよ。
庄司 なるほど、なるほど……。順番、本質的な構造を踏まえた順序づけが大事、と。
開米 逆に言えば、「順番を決める」ためには、本質的な構造を見抜いておかないといけませんよね。だから、「順番を考える」のが手っ取り早いんですよ。
個条書きを書いたら、その各条の順番を真剣に考える
これだけでも効果ありますから。はい。
庄司 なるほど! 分っかりました! 個条書きの順番を考えるだけでも、本当に真剣にとことんやれば意味があるんですね?
開米 そういうことです! ぜひ、やってみてください!!
開米 じゃあ、一般論はこのぐらいにして、庄司さんの「営業マネジメントに関する4つの領域」に話を戻しますと……。
庄司 おっ、どうなるんですか?
開米 「プロセスとナレッジとスキルの関係」を読み解くのがこの話のカギです。プロセスとナレッジの間には関係があるのは前回で分かってますから、あとは「スキル」と「プロセス」、「スキル」と「ナレッジ」の関係がどうなるかですね。じゃ、私が考えた案をご紹介しましょう。
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