営業はしゃべってはいけない――ユニット営業で実現する“聞き取る力3倍パワー”とは「ユニット式営業組織」のススメ(1/3 ページ)

営業マンはしゃべるのが仕事、というイメージがあるかもしれません。でも実際には「聞く」ほうが多いんです。「聞く」ために必要なのは「質問」です。2人で行くと質問に集中できる、そのワケは?

» 2009年07月01日 10時50分 公開
[吉見範一,Business Media 誠]

まだ1人で営業に行っているんですか? 〜2人で始める「ユニット式営業組織」のススメ〜

 ほとんどの会社で「営業」は単独行動が基本になっています。しかし著者はあるとき、2人で営業に行くほうが、はるかに契約を取りやすいことに気がつきました。それは決して偶然ではなく、現代の「営業」現場の持つ本質的な理由がそこにはあったのです。


営業はしゃべっちゃいけないんです

 こんにちは。人呼んで「紙芝居★営業マン」その正体は「営業ツールコンサルタント」の吉見範一です。先日、4日間の出張を終えて自宅に戻ってきたら、玄関に見知らぬ男の絵がありました。それもくたびれた中年男性が無愛想な表情を浮かべてるつまらない絵です。「なんでこんな絵を飾っておくんだ?」って女房殿に質問したら「あら、それは絵じゃないワ。ただの鏡よ!」だって。

 なーんて毎回冗談ばっかりでごめんなさい、営業をやってるとどうしても場の空気をほぐしたいので、寒いジョークでも何でも100キロ先まで飛ばしてしまうクセがついちゃうんですよね。ええ? そりゃお前だけだろなんてとんでもない! わたしのほかにも日本中にたぶん100人ぐらいはそんな営業マンがいると思いますよ。せめてその中でベスト3に入りたい! これがわたしの長年の野望なんです。そうすれば、営業あがりのお笑い芸人の道が開けるかもしれないじゃないですか。

 いやそれにしても真面目な話、例えば就活中の学生さんなんかと話をすると「僕は/わたしは口下手だから営業には向いてないと思う」なんて誤解が多くて困りますね。営業ってどうも「しゃべる」仕事だと思われているみたいですけど、真実はまったく逆、逆、逆なんですよ。営業マンはしゃべってはいけない、これが本当。ん? 誰ですか、そんなことを吉見に言われても説得力ないよなんて言ってるのは。本当に、ホンットーなんですからね!

 しゃべっちゃいけないなら何をするのか。もちろん、「聞く」んです。お客様の話を聞き取ること、それが営業の仕事です。

ユニット営業のヒミツが一目で分かるチャート

 それじゃあこのへんで「吉見式・ユニット営業のヒミツが一目で分かるチャート」でも見てもらいましょう。ジャジャーン! これです。

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 ヒミツが一目で分かる、なんてだんだん怪獣図鑑でも作ってるようなノリになってきましたけど、逃げちゃダメですよ。

 ご覧の通り左側は相手先の会社、右側はそこに営業をかけようとしている「自社」です。

 「相手先企業」の中に経営者、マネジャー、担当と三階層書いてますが、もちろん普通はこれを下から登っていくわけです。まず担当の心をつかみ、マネジャーの心をつかみ、経営者の決裁を経て契約が取れます。そこに、「商談速度3倍パワー」。これについては前回既に書きましたね。2人で行くとそれだけで会社対会社の「商談」のステージに上がりやすい。営業を進めるスピードが何倍にも上がります。

 そして今回は「聞き取る力3倍パワー」についてお話しします。残りの「○○○○」と伏せ字になっているパワーやワークについては次回以降たっぷりやりますので期待していてくださいね。

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