2010年版の「超」整理手帳は大きく変わった――。A5サイズの「エレファント」がラインアップに加わったのである。
2010年版の「超」整理手帳が発表されている。
「超」整理手帳は、それまでもさまざまな“改良”が施されてきた。今度のものはその中でももっとも大きな変革だといえる。具体的には、大きなサイズの新モデル『「超」整理手帳エレファントA5』が登場、ラインアップに加わったことだ。
製品名 | 価格 | 製品内容 | 特徴 |
---|---|---|---|
「超」整理手帳エレファントA5 | 2400円 | ・A5のカバー ・週間スケジュールシート ・A5クリアファイル「カンガルーファイル」 ・方眼のアイデアノート ・2年間カレンダー ・使い方説明書 |
A5サイズのノートカバー的タイプ。カバー色は黒 |
「超」整理手帳スタンダード | 1700円 | ・カバー ・週間スケジュールシート ・ToDoリスト ・メモ ・カンガルーホルダー ・カンガルールーラー ・2年間カレンダー ・使い方説明書 |
従来からあるオーソドックスなタイプ。カバーは黒、紺、茶、赤、オレンジ、クリアの全6色から選択可能 |
「超」整理手帳バーティカル | 1800円 | ・カバー ・週間スケジュールシート ・ToDoリスト ・メモ ・カンガルーホルダー ・カンガルールーラー ・2年間カレンダー ・使い方説明書 |
スケジュールシートに新たに時間軸を持つバーティカルタイプを採用 |
週間スケジュールシート | 1300円 | 週間スケジュールシート単体の製品 | スタンダードタイプのカバーを持つユーザー用の差し替えパーツ |
「超」整理手帳スターターキット | 2400円 | 「超」整理手帳に32ページの読み物がついた入門用セット | 読み物は、「超」整理手帳発案者・野口悠紀夫氏によるクラウド時代の情報整理術 |
これまで、「超」整理手帳の最大の特徴は、A4サイズを四つ折りした独自のプロポーションだった。そこに最大8週間を一覧できる蛇腹式のスケジュールシートをセット。専用ToDoリストやメモ帳を組み合わせたセットを基本としていた。コンパクトな横幅と一覧性の両立は、この手帳の大きな個性だった。
エレファントは、「超」整理手帳の基本コンセプトを継承しつつ、A5版のカバーを採用することで大きく変わった。
ここに収まる蛇腹式のスケジュールシートは、1面がA5サイズ。最大8週間を一望できる点は同じだが、折り目の数は半分になった。折りたたんだ状態でも1つの面で2週間、ノートのように開くと4週間の予定が把握できるようになった。
A5版のクリアフォルダーを中央にはさんでカバーの反対側に挟まるのは、A5サイズの方眼ノートだ。ロディアをおもわせる方眼面は、左側に縦長の白スペースを持つ。ここにポイントやテーマなどを書くことで、コーネル大学式ノートのような使いこなしが可能となっている。方眼罫の左部分には5カ所に濃いドットが打たれている。これを目安に、1ページを6分割。1週間分の予定やタスク、メモなどが記入できる。
「従来の『超』整理手帳は、記入する面が少ないというユーザーからの声がありました。そういったご意見に答えるべく作ったのが“エレファント”です」(講談社の大川朋子氏)。
また、蛇腹式のスケジュールシートをA5サイズに追ってノートカバーに挟むアイデアはそれまでのユーザーからのものだそうだ。確かに四つ折りのままだと、普通の手帳に入れにくいが、A5サイズならば、ノートカバーにも収まりやすい。
「超」整理手帳は、15年の歴史の中で、いくつもの改良や変化を経て今日の姿になっている。
一例を挙げれば、「日玉」と呼ばれる日付のフォントや六曜の有無、土日欄のサイズ(平日の半分だったのが7日間同じサイズに)だ。ハード面では、当初はなかったペンホルダーが標準で付属するようになった。発売元も変わった。登場当初の発売元はアスキー(現:アスキーメディアワークス)だったが、現在は講談社が製作・販売している。
こういう幾多の変化の中にあってエレファントA5の登場は、「超」整理手帳史上もっともエポックメイキングな出来事かもしれない。
ひょっとしたら長年のユーザーには、この新しいラインアップに抵抗を感じている人がいるかもしれない。だが、製品の形や幅(物理的にも商品の種類としても!)が広がるのは、特異なスタイルのこの手帳の本質がより多くの人に理解されることでもある。
携帯性を実現するためのA4四つ折りサイズにこだわらず、A5をベースとしたことは、現時点ではユーザーでない人たちに、2010年版手帳の有力な選択肢を提供したと言えるだろう。
おりしも、文具の世界はノートカバーがちょっとしたブームだ。そしてエレファントA5は、A5版のノートカバーをすでに使っている人たちがちょっと手を出してみようかなと思える、“敷居の低さ”を持っている。それは同時に、「超」整理手帳という製品がより多くの人に理解されるきっかけになると思えるのだ。
今回の「超」整理手帳には、バーティカルタイプのリフィルも登場している。これについてはまた回をあらためたい。
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