「iPhoneを買ったはいいけれど、どうも使いこなせていない気がする」――そんな風に感じている人は、iPhoneの「ユビキタス・サーチ」の魅力をまだ知らないのかもしれません。
最近iPhone関連の質問をされることが増えてきました。今回はこんなお悩みです。
iPhoneを買ったものの、なかなか「使いこなす」ところまでたどり着けていないような気がします。『iPhone情報整理術』には「何でもデジタルデータ化して取り込む」という使い方が紹介されていましたが、そもそもそれほど書類も溜め込みませんし。一般的には、ほかにどんな活用方法があるでしょうか?
いささか漠然としていて答えにくい質問ではありますが、あの本であまり書かなかった私自身の利用法として、「あらゆる辞書をiPhoneに集約する」というものがあります。
例えば、私は最近、電子辞書をあまり使わなくなりました。英語の雑誌を読む場合はともかく、ほとんどのことはiPhoneで調べがつくからです。
iPhoneには「有斐閣心理学辞典」(7000円)があります。英和辞典、和英辞典、国語辞典ももちろんあります。それに「Wikipanion」(無料版あり、有料版は600円)の存在があります。さらには、「i英辞郎」(1000円)や「大辞林」(2500円)や「広辞苑」(8500円)もあります。そしてもちろん「Google」があります(参考:iPhooone wiki 辞書・辞典カテゴリー)
これだけあれば、「調べがつかない」というような語彙(ごい)はほとんどありません。フリッカーの入力に慣れてさえしまえば、iPhone1つ持っていることで、書棚を持ち歩くのに匹敵するほどの知識を持ち歩けます。「書斎を持ち歩く」とか「オフィスを持ち歩く」という表現は、まったく誇張ではないのです。
今回紹介したものは、iPhoneアプリとしては若干価格が高いと感じられるでしょう。しかし、電子辞書に比較すればそうでもないはずですし、紙の辞書を買った場合と比較しても、決して法外な値段ではありません。
思いついたら何でもすぐに記録するという「ユビキタス・キャプチャー」のメリットはよく浸透してきていますが、思いついたらすぐ調べるという「ユビキタス・サーチ」の恩恵も、iPhoneから大いに享受することができるのです。
財布の中のカード。1枚減らしてみませんか。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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