ScanSnapシリーズの新製品「ScanSnap S1100」は、持ち運びを前提としたスティック型のボディが特徴だ。従来のScanSnapとの機能の違いなどを中心に使い勝手をチェックしてみた。
PFUからドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズの新製品として「ScanSnap S1100」が発売された。一目見て分かるように、これまでのScanSnapシリーズの製品にはない、スリムなボディが特徴の製品である。
型番のうえではScanSnapシリーズのローエンドに位置する本製品だが、これまでの製品とは機能面でかなりの違いがあるため、既存のScanSnapの機能や用途を念頭に置いて購入した場合、戸惑うことも予想される。その一方、特性を理解すれば、これまでのScanSnapではなし得なかった便利な使い方も可能になる。今回はこのScanSnap S1100について、従来製品とは何が違うのか、どのような用途が向いているかをチェックしてみたい。
まずはざっと外観チェック。写真をご覧いただければ分かるように、スティックタイプの細長いボディが特徴だ。高さは34ミリ、奥行きは47.5ミリと、従来製品に比べるとおそろしく細い。他社から発売されているハンディスキャナと呼ばれる製品と比べても、圧倒的にスリムだ。
身近で近い径のものを探してみたが、自転車のグリップや、トイレットペーパーの芯あたりが近いといえば近いだろうか。とりあえずうまい棒と並べて撮影してみた。だいたいの径がお分かりいただけるのではないかと思う。
さて、従来製品と異なるのはスキャンの向きだ。従来製品は背面上部から原稿を差し込み、手前に排出する方式だったのに対し、今回の製品は手前から挿入する。つまり逆だ。さらにスキャンする面は上向きにする。従来製品は両面読み取りの際にオモテ面を下向きにしていたので、これも逆だ。
原稿を排出する向きは通常「真後ろ」、排紙ガイドを展開した場合は「上方」となる。詳しくは後述するが、本製品は両面読み取りに対応せず、片面ずつの読み取りだ。両面原稿を読み取る場合、排紙ガイドを展開した状態でスキャンすると原稿がロールしつつ手前に戻ってくるので、すぐさま裏面のスキャンに取りかかれるというわけだ。
この排紙ガイドを展開した状態であれば、スキャナの奥に排紙スペースが不要なため、前面背面ともにかなりの設置スペースを必要とした従来製品と違い、背面を壁に近づけて設置することが可能だ。机上など置き場所に余裕がないところで使うにはぴったりだろう。
いっぽう、排紙ガイドを閉じた状態であれば、原稿がまったくカールせずに真後ろにストレートに排出されるので、厚みのある原稿、例えばプラスチックカードなどのスキャンに対応する。従来製品では排紙ガイドを閉じた状態でスキャンすると少なからず原稿が反ってしまうため、原稿の文字がゆがんで読み取られることがあったが、本製品はそれがない。硬い原稿のスキャンにおいては、従来製品よりも本製品のほうが向いている。
ちなみに排紙ガイドを展開した状態では、原稿がカールされながら排出されることから、カールできない原稿、つまり厚みのあるものはスキャンできない。実際に試してみた限りでは、会議資料やチラシ、レシートの類は問題なくスキャンできるものの、ちょっと厚みのある名刺だと通らないという結果になった。このあたりは排出方向を変えて対応するのがよさそうだ。
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