過去5年間で筆者宅の電気代が最も多かったのは、2009年の1月で2万2764円(923kWh)。1年後の2010年1月は1万2639円(569kWh)と激減した。電力量は38.4%の削減、電気代は44.5%の削減となっている。電気料金は使った電力量に対しリニアなものではないし、単価もその時期により異なっている。また、記事中に出てくるW(ワット)やkWhという単位や、よく目にする22円/kWhということを理解するために、電気料金の仕組みを簡単におさらいしてみよう。
一般家庭の電気料金は「従量電灯B」という契約になっている。その内容は、基本料金として契約アンペア(A)、使った電力量によって増える3段階料金制度で構成されている。電力会社ごとに若干料金は異なり、加えて原油や石炭などの燃料価格の変動による燃料費調整制度で毎月微調整される仕組みだ。東京電力、東北電力、北海道電力、中部電力の価格は以下の通り。3段階料金制度の1段料金は120kWh以下で共通だが、2段料金は北海道電力だけ120kWhを越え280kWh以下、他の3社は120kWhを越え300kWh以下、3段料金も北海道電力だけ280kWh越え、他の3社は300kWh越えとなっている。
契約アンペア | 東京電力 | 東北電力 | 北海道電力 | 中部電力 |
---|---|---|---|---|
10A | 273.00円 | 315.00円 | 325.50円 | 273.00円 |
15A | 409.50円 | 472.50円 | 488.25円 | 409.50円 |
20A | 546.00円 | 630.00円 | 651.00円 | 546.00円 |
30A | 819.00円 | 945.00円 | 976.00円 | 819.00円 |
40A | 1092.00円 | 1260.00円 | 1302.00円 | 1092.00円 |
50A | 1365.00円 | 1575.00円 | 1627.50円 | 1365.00円 |
60A | 1638.00円 | 1890.00円 | 1953.00円 | 1638.00円 |
段階料金 | ||||
0〜120kWh | 17.05円 | 16.81円 | 18.27円 | 17.05円 |
120〜300kWh | 21.09円 | 22.56円 | 23.68円(※) | 21.09円 |
300kWh〜 | 22.52円 | 24.17円 | 25.37円(※) | 22.52円 |
北海道電力は120〜280kWh、280kWh〜となる |
実際に計算してみよう。筆者宅の2009年の1月の電気使用量は923kWh。契約アンペアは40Aだ。筆者は名古屋在住なので中部電力の価格で計算を行う。
基本料金(40A) | 1092円 |
---|---|
1段料金 | 17.05円+1.95円(燃料調整単価)×120(kWh)=2280円 |
2段料金 | 21.09円+1.95円(燃料調整単価)×(300−120)(kWh)=4147.2円 |
3段料金 | 22.52円+1.95円(燃料調整単価)×(923−300)(kWh)=1万5244.81円 |
合計 | 1092円+2280円+4147.2円+1万5244.81円=2万2764.01円 |
電気料金の計算ロジックを理解すると、電気を使いまくっている人ほど単価が高いことが分かる。当然、節電したときの削減額も大きくなる。この月の場合、調整単価も大きいので1kWh節電すれば24.47円の節約となる。
翌年を見ると、調整単価はマイナス0.62円なので1段料金は1971.6円大きく減っている。3段料金の単価も22.52円−0.62円=21.9円と1割以上下がっている。
住む場所や使う電力量、原油価格などによって単価が異なる電気料金の仕組みが分かっただろうか。そこそこ平均的な単価として、資料やニュース、記事などでは一般的に22円/kWhという値が用いられている。
電気のことも簡単におさらいしていこう。電気代の単価は1kWhとなっている。これは1kW=1000Wの電気製品を1時間(h)使用したときの値だ。ざっくり言うと1000Wの電子レンジを1時間、1500Wのドライヤーを40分、100Wの冷蔵庫を10時間使うと、それぞれ22円の電気代が掛かるということだ。
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