目指せ35%省エネ、今だからこそ“本気の節電術”(前編)大規模停電を回避せよ!(2/5 ページ)

» 2011年03月24日 21時20分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

電気料金の仕組み

 過去5年間で筆者宅の電気代が最も多かったのは、2009年の1月で2万2764円(923kWh)。1年後の2010年1月は1万2639円(569kWh)と激減した。電力量は38.4%の削減、電気代は44.5%の削減となっている。電気料金は使った電力量に対しリニアなものではないし、単価もその時期により異なっている。また、記事中に出てくるW(ワット)やkWhという単位や、よく目にする22円/kWhということを理解するために、電気料金の仕組みを簡単におさらいしてみよう。

 一般家庭の電気料金は「従量電灯B」という契約になっている。その内容は、基本料金として契約アンペア(A)、使った電力量によって増える3段階料金制度で構成されている。電力会社ごとに若干料金は異なり、加えて原油や石炭などの燃料価格の変動による燃料費調整制度で毎月微調整される仕組みだ。東京電力、東北電力、北海道電力、中部電力の価格は以下の通り。3段階料金制度の1段料金は120kWh以下で共通だが、2段料金は北海道電力だけ120kWhを越え280kWh以下、他の3社は120kWhを越え300kWh以下、3段料金も北海道電力だけ280kWh越え、他の3社は300kWh越えとなっている。

契約アンペア 東京電力 東北電力 北海道電力 中部電力
10A 273.00円 315.00円 325.50円 273.00円
15A 409.50円 472.50円 488.25円 409.50円
20A 546.00円 630.00円 651.00円 546.00円
30A 819.00円 945.00円 976.00円 819.00円
40A 1092.00円 1260.00円 1302.00円 1092.00円
50A 1365.00円 1575.00円 1627.50円 1365.00円
60A 1638.00円 1890.00円 1953.00円 1638.00円
段階料金
0〜120kWh 17.05円 16.81円 18.27円 17.05円
120〜300kWh 21.09円 22.56円 23.68円(※) 21.09円
300kWh〜 22.52円 24.17円 25.37円(※) 22.52円
北海道電力は120〜280kWh、280kWh〜となる

 実際に計算してみよう。筆者宅の2009年の1月の電気使用量は923kWh。契約アンペアは40Aだ。筆者は名古屋在住なので中部電力の価格で計算を行う。

基本料金(40A) 1092円
1段料金 17.05円+1.95円(燃料調整単価)×120(kWh)=2280円
2段料金 21.09円+1.95円(燃料調整単価)×(300−120)(kWh)=4147.2円
3段料金 22.52円+1.95円(燃料調整単価)×(923−300)(kWh)=1万5244.81円
合計 1092円+2280円+4147.2円+1万5244.81円=2万2764.01円

 電気料金の計算ロジックを理解すると、電気を使いまくっている人ほど単価が高いことが分かる。当然、節電したときの削減額も大きくなる。この月の場合、調整単価も大きいので1kWh節電すれば24.47円の節約となる。

 翌年を見ると、調整単価はマイナス0.62円なので1段料金は1971.6円大きく減っている。3段料金の単価も22.52円−0.62円=21.9円と1割以上下がっている。

 住む場所や使う電力量、原油価格などによって単価が異なる電気料金の仕組みが分かっただろうか。そこそこ平均的な単価として、資料やニュース、記事などでは一般的に22円/kWhという値が用いられている。

 電気のことも簡単におさらいしていこう。電気代の単価は1kWhとなっている。これは1kW=1000Wの電気製品を1時間(h)使用したときの値だ。ざっくり言うと1000Wの電子レンジを1時間、1500Wのドライヤーを40分、100Wの冷蔵庫を10時間使うと、それぞれ22円の電気代が掛かるということだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ