スマホの充電90回分! 重さ15キロのモンスターバッテリーで停電に備えよ防災・防犯ラボ(2/2 ページ)

» 2011年12月07日 11時00分 公開
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震災前から開発に着手していた

 せっかくなので、開発の経緯や裏話も聞いてみました。お話してくれたのは担当の伊藤さんです。

ナカヤマ 開発のキッカケは、やはり東日本大震災ですか?

伊藤さん いいえ、よく言われますがじつは違いまして、震災前から着手していました。もともとは、自社で必要に迫られて作りました。年1回、サーバ保守点検をするのですが、その関係上どうしても電気が途絶えた3時間の空白時間が生まれてしまうんです。どんな企業でも事情は同じだと思いますが、その間にトラブルが発生することは許されません。「3時間だけもつ蓄電池を作ろう」ということで、自社用に開発したのです。

センチュリーの伊藤さん

ナカヤマ 既製品を買うのではなく、自社開発してしまったと?

伊藤さん ええ、本業はPCモバイル機器や電子雑貨機器などの開発なので、自前で開発する技術はあります。外向けに販売する計画はなかったのですが、今回の震災を受け「もしかしたら、需要があるのでは」と、本格的な製品へとブラッシュアップしたわけです。

ラジオとLEDライトは、ほとんど電池を消費しない

ナカヤマ 最後にですが、開発の裏話はありますか?

伊藤さん 最初の試作機を作ったときは純粋に電池機能だけだったのですが、ヒアリングを重ねたところラジオとLEDライトを求める声が多くありました。そこで、その2つを盛り込んで完成となった後、別のお客さんから「LEDライトが取り外し可能なだったらな〜」と言われました(苦笑)。今は取り外しができないタイプなんですよ。今後の課題です。

ナカヤマ ラジオとLEDライトは絶対重宝すると思いますよ。ただ、その分電池消費量が大きくなってしまわないですか?

伊藤さん ラジオとLEDライトの電池消費量はごく微々たるモノで、ほとんど電力を食いません。具体的には、LEDの消費電力は1ワットで連続600時間の利用が可能です。ラジオは最大電力が2.5ワットで連続240時間利用できます。

ナカヤマ それだと助かります。ぜひ大小で幾つかのサイズ展開に期待しています。今日は貴重なお話、ありがとうございました。


 取材時に実機と試作段階の見させてもらいましたが、ガッチリとした造りが頼もしかったです。停電も、これがあれば心強いだろうなと思いました。家庭用にはややオーバースペックな感もありますが、サイズ、価格ともにオフィスの停電対策としても使えそうなバッテリーだといえそうです。

関連リンク

PCモバイル機器、電子雑貨機器などの開発、製造、販売ならびに輸出入をしています。

ヤマダ電機の店頭で見かけましたが、87万円という値段にビックリ。どんな人が買うんだろう? と思っていました。


著者紹介:中山順司(なかやま・じゅんじ)

 シックス・アパート株式会社 / スキナヒト製作所 所長。1971年生まれ。Covenant College(米国)卒業後、携帯電話キャリアでマーケティングと営業に携わり、2000年にネット業界に転身。旅行予約サイト(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに(現職)。

 2010年12月、フツーの男女のフツーの出会いをプロデュースすることに特化した、世界一マジメな恋愛インキュベーション・プロジェクト「スキナヒト製作所(β)」を設立。


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