ソーシャルゲームのベテランと初心者が一緒になって、面白そうなゲームのアイデアを考えた今回。全17アイデアのうちメンバーでベスト3を選んでみました。
世の中にあるさまざまな発想メソッドを、実際に試して実験、検証していく本企画。第7回は毎回監修してもらっている「アイデアプラント」代表の石井力重さんが開発した「アイデアトランプ」を用いて発想してみました。
今回のお題は「初心者がやってみたくなるソーシャルゲーム」。30秒間でアイデアが出そうなカードを選び、発想したアイデアを発表。1人当たり計6回行いました。
1973年、千葉県生まれ。東北大学大学院理学研究科修士課程卒業。技術系商社から東北大学大学院博士課程(MOT専攻)、独立行政法人のフェローを経て、2009年4月にアイデアプラントを設立。現在は「ブレスター」「智慧カード」などアイデア創出支援ツールの企画開発、企業・団体向けの新事業・新製品開発支援、さまざまな創造技法を紹介するワークショップなど、多彩な活動を展開している。2011年6月には、東北地方のビジネス活性化と震災復興を目指す「Fandroid EAST JAPAN」を設立、同理事長に就任。仙台を拠点に、Androidアプリ開発技術者の育成と能力向上、アプリ関連ビジネスの活性化に尽力している。Webサイトは「石井力重の活動報告」。
まずは前編で出たアイデアをおさらいしましょう。メンバーのうち、誠編集部のホリウチさんはソーシャルゲームに詳しいだけあってパッパッとアイデアが出てきました。
カードの指示 | アイデア |
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何かと組み合わせる | 婚活サイトと組み合わせる。異性と仲良く冒険 |
何かを減らす | 身体を動かしたりすることでダイエットもできるように |
みんなが大事にしたいと思うものを見つける | 勝った人が大統領というような報酬にする。 |
置く場所を変える | ボタンを押す代わりに別のリアルなボタンを押すようにする(位置ゲーみたいな) |
重くする | すごく難しくすることで達成感を得やすくする |
場を小さく分ける | 会社対抗戦のようにすることで会社の帰属意識を高める |
時間をくぎる | 決まった時間にしかプレーできない。 |
何かを混ぜる | リアルゲームと一緒に進む(2つのゲームを同時進行させる) |
何かを削る | むかつく相手に課金攻撃ができる |
誰かのやることをいつもと変える | リアルな知り合いだけど、誰かは分からない(例:クラス全員で参加するのだけど、ゲーム上のプレーヤーが誰なのかがお互い分からないまま進める) |
何かの目的と一緒にやる | 学力とリンクさせる。(資格やTOEICとリンクさせる) |
誰かと一緒にやる | 自分の思い通りにならないペットや子供と一緒にプレーする |
やり方の順番を変える | 最初に低額を課金し、お金をなるべく使わず達成できたら勝ち |
何かを減らす | 子供が漢字を学べる(教育的効果) |
何かを短くする | 1分間で終わるゲーム。(長時間ゲームに没頭して時間を浪費してしまう等の)批判を受けずに済む |
前にあったことをヒントにする | 会社内の匿名コミュニケーションゲーム。いいね! を付け合う |
逆の目的に使う | 苦しいゲーム。(なかなか身につかないコトの)習慣化。朝の早起きとか |
少し意味を変える | リアルのその場でゲームを他人にふっかける。(負けたら)ジュースをおごる、(勝ったら)ジュースをおごせる |
何かを他の人にあげてしまう | 寄付。いらない物を使ってゲーム参加。社会的意義アリ |
全員のアイデアが出切ったところで、メンバーの評価が高いアイデアを3つ選びました。どんなふうにアイデアが広がったか、掘り下げることができたかをまとめてみます。
カードの指示 | みんなが大事にしたいと思うものを見つける |
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アイデアの評価と広がり | 勝った人が「大統領になれる」というような報酬を与える。ゲームをクリアするにつれ、より偉い地位に近づける。また、他のプレーヤーから支持を受ければ受けるほど、より目標の地位を得やすくなる仕組みを取り入れることで、ソーシャル色を出せる |
カードの指示 | 誰かのやることをいつもと変える |
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アイデアの評価と広がり | リアルな知り合いが多数参加(例えばクラスメイト)しているのだけど、お互い誰かは分からないままゲームを進める。匿名性はあるけれど、クローズドな場にしてあるので、危険はない。ふだんクラスメイトに面と向かって言えない照れくさい台詞も吐けるし、異性に格好をつけたりできる非日常性を味わえるゲーム |
カードの指示 | 何かを他の人にあげてしまう |
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アイデアの評価と広がり | 寄付をすることで参加できるゲーム。よってお金はかからない。自宅の不要な品物を処分できつつ、ゲームが楽しめて一石二鳥。集まった品物は、震災で困っている方々への寄付にすることで、社会的意義も確保できるし、「ゲーム=非生産的で時間のムダ」的なマイナス評価をプラスに転換できる |
今回は、短時間でアイデアを連発していくタイプの発想会議だったので、具体的なゲームの中身にはほぼ触れずじまいでした。
全員からの評価が最も高かったアイデアは「寄付式のゲーム」でしたが、よくよく考えると、このアイデアってゲームの参加方法しか説明していないんですよね。
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