ちょっと幸せになれるスマホアプリを考えてみたアイデア発想実践記(1/2 ページ)

今回のアイデア思考法はデザイナーの今泉浩晃さんが開発したマンダラート法。いつもの3人で「ちょっと幸せになれるスマホアプリ」を考えてみました。

» 2012年06月14日 16時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 世の中にあるさまざまな発想メソッドを、実際に試して実験、検証していく本企画。第10回は「マンダラート法」です。今回も仮想のお題を用意し、メソッドに従って検証。その結果を、監修役であるアイデアプラント代表の石井力重さんに評価してもらいます。

 マンダラート法は、デザイナーの今泉浩晃さんが開発したアイデア思考法です。マンダラートは、マンダラを使う技術(アート)ということで付けられた造語。マンダラとは9つの正方形のマスで作られた形をしたもので、それを使うための技術がマンダラートです。

今回使った3×3マスの自作マンダラート用紙

 ノートに個条書きで書くようなリニア思考ではなく、マンダラのノンリニア思考が、多面的に発想を刺激してくれます。このマンダラートでは、マンダラを用いて問題解決や目標達成の形を作り出すこと(デザインすること)、というコンセプトになっています。

石井力重(いしい・りきえ)さんプロフィール

石井さん近影

 1973年、千葉県生まれ。東北大学大学院理学研究科修士課程卒業。技術系商社から東北大学大学院博士課程(MOT専攻)、独立行政法人のフェローを経て、2009年4月にアイデアプラントを設立。現在は「ブレスター」「智慧カード」などアイデア創出支援ツールの企画開発、企業・団体向けの新事業・新製品開発支援、さまざまな創造技法を紹介するワークショップなど、多彩な活動を展開している。2011年6月には、東北地方のビジネス活性化と震災復興を目指す「Fandroid EAST JAPAN」を設立、同理事長に就任。仙台を拠点に、Androidアプリ開発技術者の育成と能力向上、アプリ関連ビジネスの活性化に尽力している。Webサイトは「石井力重の活動報告」


「ちょっと幸せになれるアプリ」を考えてみた

 実際には、以下の方法で進めていきました。

  1. 9つの正方形のセル(3×3マス)を書く
  2. 真ん中のセルにテーマを書く
  3. ここからアイデア出し
  4. テーマの回りのセルにアイデアを強制的に8つ埋める
  5. でき上がったマンダラを見ながら、文章化する

 さらに、搾り出したアイデアのうち1つをキーワードとして新たなマンダラートを作り出す事もできます。「階層化」です。これを繰り返す事によってアイデアは無限の広がりを見せます。

 そんなマンダラート法を使って取り組む今日の課題は、「ちょっと幸せになれるスマホアプリ」。今回アイデア出しに参加した誠 Biz.IDの鷹木編集長、上口さん、そして中山の3人は全員スマートフォンユーザーです。それぞれがわりとヘビーに使っていることもあり、アプリのアイデアなら「けっこう出せそう」な気がしています。

 まずは参加者のコメントから。


中山

テーマを深めていくと、8個のマス目をキレイに埋めるアイデアが出てこない時がありました。虫食い状態で別のアイデアを深掘りしていくのは、用紙の見た目的にはよくないけれど、最終ゴールはアイデアの質であって、文字でうめつくされた用紙ではないです。こう割り切って、自由に発想してみました。


鷹木

発案者の今泉さんによると、サンスクリット語でマンダは「本質」のこと。ラは「成熟させる」という意味。つまりマンダラとはマンダをラする、直訳すると本質を成熟させる、本質を満たすという意味らしい。なんだかスゴそうと前々から思っていたし、取材をしたこともあったので結構期待して試してみましたが、果たして結果は……。


上口

テーマ「ちょっと幸せになれるスマホアプリ」を記入した中央のコマを除く8個それぞれに少しずつ違うタイプのアプリを書くつもりで進めました。また、もし隣のコマから発想できそうであればアイデアにもなりそうです。何となく頭にイメージしていたアプリに幸せ要素を加えたらどんなアプリになるんでしょうか、楽しみです。


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