成果をあげる組織の条件、会社の目的と個人の目的を重ねよ(1/2 ページ)

組織に雇われる働き手にとって働きがいの創造とは、会社の目的と個人の目的という、2つの円を重ねることである。

» 2012年08月23日 08時00分 公開
[村山昇,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行う。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 会社には会社の事業目的がある。そして、個人には個人の働く目的がある。この両者の目的の重なり具合によって、次の3つの関係性が生まれる。

タイプ1:健全な重なり関係

 会社と個人の間には、何かしらの共有できる目的観があり、両者は協調しながら関係性を維持・発展させていく。

 こうした関係の下では、ヒトは「生かし・生かされ」といった空気ができあがる。会社は働き手を「人財」として扱い、働き手は会社を「働く舞台」としてみる。さらにここに、強い理念を掲げた魅力ある経営者が求心力となれば、その組織はとても強いものになる。

タイプ2:不健全な従属関係

 会社の目的に個人が飲み込まれ(この場合、たいてい個人はみずからの目的を明確に持っていない)、個人が会社に従属し、いいように使われてしまう関係となる。

 個人がほかに雇われる力のない弱者である場合、会社は雇うことを半ば権力として暴君として振る舞う。

タイプ3:不健全な分離関係

 会社と個人はまったく別々の目的観を持っていて、両者の重なる部分がない。会社はとりあえず労働力確保のために雇い、個人はとりあえず給料を稼ぐためにそこで働くといった冷めた関係となる。

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