インタビュー
» 2013年01月28日 09時55分 公開

個人サイト管理人の「目」:「虚構新聞」らが“ネットで光る”ワケ 人気サイトの共通点を探る (2/3)

[村上万純,Business Media 誠]

時事ネタで最も重要なのは「タイミング」

 サイトを運営していると、ときどきアクセスが急増することがある。かつては、人気サイトに記事やサイトを紹介された時が、そのきっかけの多くを占めていた。しかも取り上げられると、ほかのサイトにもどんどん紹介されていき、アクセスの増加がしばらく続く。だが今ではその役割を、人気サイトに代わりSNSが担っている。SNSでは、時間の経過とともに情報がどんどん流れてしまうので、一時的にたくさんシェアされることはあっても、その人気を維持し続けるのは難しい。

 時代によって変化する、サイト人気の得方や保ち方。4人はそれと上手く付き合ってきたからこそ、今でも読者の支持を得られているに違いない。そこで普段サイトを運営する上で、意識しているポイントを聞いてみた。

松永 「はてなブックマーク」がたくさんついている私の人気記事って、そのほとんどが時事ネタなんです。しかもアクセスが伸びるように、タイミングを見計らって掲載したものばかり。なので記事の掲載が遅れた時、1日でも遅れると駄目だなと思うような話題については、アップを断念することすらあります。

ALT はてなブックマークが1000を超えた数日後に同じく「生活保護」関連の続編記事を掲載したが、時事性の高い前回のエントリほどは数が伸びなかった

 最近の記事でいうと、ブックマーク数が1000を超えた「河本準一氏叩きで見失われる本当の問題」は、掲載のタイミングがかなり良かったんだと思います。

 ひとりよがりな意見は書かずに、データをもとに実証的な見解を述べたのも、アクセスが伸びる要因となったのではないでしょうか。

 ほかには、記事を書く時に、読み手の気持ちを意識して考えています。自分が書きたいものと、読み手がどう解釈するのかのバランスを取っているんです。

 読み手にとってより分かりやすく、より誤解されにくいように書くのを意識すると、文章の書き方も変わってきます。「読まれる意識」を持つかどうかはかなり重要だと思います。

ALT Twitterでお気に入り数の多いツイートをランキング形式で表示してくれるプログラムも、自身で作成したまなめ氏

まなめ 読者を意識したブログかどうかは、見た瞬間に分かります。タイトルからして全然違います。

 アクセス数があまりなくても、しっかりとした形式で書いているものは、何かのきっかけで多くの人の目に留まることで、必ず人気が出ると思っています。

 サイトを継続して更新するのも重要です。とはいえ、仕事に追われてサイトに手間をかけられない時もあるので、更新システムを効率化するプログラムを作ったりもしました。できるだけ労力をかけずに、サイト運営を継続するのが理想的ですね。

UK 虚構新聞は時事ネタが中心なので、記事を出すタイミングがとても重要です。映画「天空の城ラピュタ」のテレビ放送があった時に、「気象庁、日本全域に大バルス警報発令 2年ぶり」という記事を放送当日の夕方に掲載したところ、TwitterのRT数が数時間で1万1000ほどまで伸びました。もし放送の2日前や放送後にアップしていたら、これほど上手くいかなかったと思います。ニュースは“生もの”なので、タイムリーに出すのをとても重視しています。

ALT ほかにも「アナロ熊」や「まんべくん」などの旬な話題も、タイムリー性が高く反響が大きかったという

さらしる やはり旬な人の情報には、アクセスも多く集まります。なので、例えば声優を取り上げる時には、その都度人気のある声優一人に絞って情報を提供していました。ほかには、継続してサイトを更新していたのも重要だったと感じていますね。就職や結婚など、ライフスタイルの変化が原因でネットに割ける時間がなくなり、仕方なくサイトを閉鎖してしまう人が、案外多いんです。そうやって周りのサイトが閉鎖していくなかで、僕が生き残れたのは運も味方していたんじゃないかな、とも思います。


 サイトや記事の人気を得るには、読み手を意識してネタ選びをし、文章を書くのがポイントだと分かった。加えて時事ネタを扱う場合には、記事を出すタイミングに細心の注意を払う必要がある。リアルタイムで情報共有できることから、速報ニュースと相性のいいTwitterで、いかにシェアしてもらうかという視点で記事を扱うセンスも問われているだろう。もちろんその大前提に、サイトの継続的な運営があるのを忘れてはならない。

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