仕事に「断捨離」は利かない――美崎栄一郎さんに聞く、机でセルフブランディングのすすめ机がぐちゃぐちゃで困ってる人へ(1/2 ページ)

会社員時代の経験から、机の上を“基地化”するコツなどを発掘した美崎栄一郎さん。近著『仕事はできるのに、机がぐちゃぐちゃで困ってるきみへ』の内容を実践してもらいたい人に向けてメッセージをもらった。

» 2013年03月19日 12時45分 公開
[渡辺まりか,Business Media 誠]

 「机が汚いのは、仕事をしている証ですよね?」――2月末に発売した書籍『仕事はできるのに、机がぐちゃぐちゃで困ってるきみへ』の筆者、美崎栄一郎さんにこう質問すると、「その通りです。でも……」と、言葉を続けた。

 「少しの工夫で、仕事の効率は劇的に上がるんです」。同書にはその「工夫」となるヒントがぎっしりと詰まっている。

 美崎さんに、「机の上がぐちゃぐちゃで、何とかしたい……」そう思っている人に向けてのアドバイスなどを聞いた。

仕事に「断捨離」は利かない

――まずお聞きしたいのは、本のタイトル『仕事はできるのに、机がぐちゃぐちゃで困ってるきみへ』の中にある、2つの言葉についてです。「仕事ができる」と「ぐちゃぐちゃ」は、相反するものというイメージがありますが、なぜそこに注目したのでしょうか?

美崎栄一郎さん

美崎 本の中でも触れていますが、机がぐちゃぐちゃな人=仕事ができない人ではないんです。会社ではさまざまなプロジェクトが同時に走っています。1つの書類が、同時に複数のプロジェクトと関係することもあります。仕事をしているから、机の上がぐちゃぐちゃになってくるんですね。

 それで、何か方法はないか……と思って、いわゆる「片付け本」を買ってきても、役には立たないんです。断捨離などの巷に溢れている片付け本は、捨てることが前提、そのための判断基準が中心に書かれています。でも、会社の書類はそんなに簡単には捨てられないんですよ。ときめく、ときめかないで決められるようなものではないですから。

 でもだからと言って、何かをするたびに机の上の物を探すようであれば、それは効率が悪い。今回の本には、そういう人の効率を劇的にアップさせて、さらに仕事のできる人になるためのヒントが詰まっています。

自分だけの世界じゃない、人間関係に着目

――なるほど。確かに、職場ならではの事情があるわけですね。

美崎 そうなんです。片付けの基本とされてきた「捨てること」って、結構時間がかかるんです。だから面倒くさくて後回しになる。そしてさらに机がぐちゃぐちゃに……というループになってしまうんです。

 また、今までの整理法は「自分中心」のものでした。周りの人をあまり考慮していないものだったのです。確かに、家の中ではそれでもいいかもしれません。しかし会社で仕事をしている以上、どうしても周囲との人間関係は避けられないですよね? 

 僕も超整理法GTDを実践していた時があったんです。会社のデスクの上に3段トレイを置いて、最上段には最も緊急なタスクの書類を置く、と。しかし周りはそんなこと知らないから「郵便受け」にしか見えなかったようです。僕のいない間に、最上段には大して重要でもない回覧物だとかが入れられてしまうんです。そうすると、最優先にすべきものが何だか分からなくなってしまう……ということがありました。「僕はこういう使い方をしているんだから、ここにそういうものを入れないでください」と説明をして回るのは角が立ちますよね。それで、その方法はやめたのです。

 他人は変えられません。それなら、自分が仕事をしやすいように机の上を使って自分を演出しながら、うまくコミュニケーションを図った方がいい。本では、そうしたところまで突っ込んで考えています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ