あいさつがない職場で、あいさつをする&させる方法田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(2/3 ページ)

» 2013年04月04日 12時00分 公開
[田中淳子Business Media 誠]

あいさつをしても、相手は反応しない

 こちらがあいさつをしても、相手が反応してくれないと、むなしくなってきて、徐々にあいさつしなくなるというケースもある。そういえば、こんな話を聞いたことがある。

 新入社員研修で、さんざん「あいさつしなさい」「大きな声で元気よくあいさつを」「新人なんだから自分からはつらつとあいさつするように」と言われ、実践し続けてきた新入社員が、いよいよ職場に配属になった。配属先のオフィスに到着し、開口一番「おはようございますっ!」と元気にあいさつしたところ、ほとんど無反応、振り向いてくれる先輩も数えるほど。翌日も朝元気にあいさつをしたものの、相変わらず、反応が薄い。相手が反応してくれないあいさつほどむなしいものはない。元気にあいさつしていた新入社員は、やがて自分もあいさつするのをやめてしまったという。

 「そんなことでどうする!」と新人を叱咤することは簡単だが、反応の薄い相手に自分だけ元気に明るくあいさつし続けるのは難しいだろう。

 こんな状況を打破した人ももちろんいる。知り合いの例だ。

 彼女は30代半ばで思い切って転職した。新しい会社の配属先はフリーアドレス(席が決まっていないシステム)制だった。朝、ロッカーから自分のPCを持ち出し、空いている席に陣取る。フリーアドレスを経験したことのある人なら理解できると思うのだが、フリーといいつつ、徐々に固定化してくるのが常である。途中入社した彼女にとっては、空いている席を探すのが難しかったらしい。よく観察するとある一角だけ空席があったので、そこに座ることにした。周囲は10歳くらい年長の男性ばかりがいるエリアだったらしい。

 翌日も同じあたりに座ることになる。彼女いわく、「すごく年上の男性ばかりの席になったの」。そこで「おはようございます」とあいさつをしてみたが、返事をしてくれる人はごく少数で、しかも聞こえるか聞こえないかというほど小さな声で反応するだけだという。彼女はあきらめず、毎朝「おはようございます」と言い続けた。何日かして、あいさつに応じてくれる人がポツポツと出始めた。1人増え、2人増え、やがて5人になり……という感じだったらしい。

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