あいさつがない職場で、あいさつをする&させる方法田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(3/3 ページ)

» 2013年04月04日 12時00分 公開
[田中淳子Business Media 誠]
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あいさつに「名前」を使う

 毎日あいさつをし続けていたら、最終的には、そのエリアにいる人全員があいさつを返してくれるようになった。そればかりか、男性たちから先にあいさつされることも増えてきた。そうこうするうちに「あいさつ」だけでは終わらず、日常的にも会話するようになった。その大先輩たちがベテラン組なので、転職した彼女にはとても役立つ情報をたくさん提供してくれるらしい。そうして彼女は転職先でいち早く、知識やスキル、社内人脈を確立していくことができたのだ。

 「毎日あいさつし続けていたら、少しずつ反応する人が増えるものなのよ」と彼女は笑ながら語ってくれた。

 あいさつをしても返事をしてくれない時、つい気分が腐って、「もういいや」と思ってしまうことがある。相手に聞こえていない可能性もあるし、考え事をしていたりするとあいさつは聞こえていても、反応しそこなうこともある。だから、1度や2度スルーされたからといって自分もあいさつをやめてしまうのではなく、根気強く続けることが大事だ。

 1つヒントを挙げるとすれば、あいさつに「名前」をうまく使うことだ。「おはようございます」と全体に対して投げかけられると、聞いた側は「自分に行ったのかな?」「誰に言ったのだろう?」と思ってしまうこともある。だから「鈴木さん、おはようございます」「山田さん、おはようございます」などと名前を付けてみるのだ。もちろん、全員の名前をいちいち呼ぶわけにはいかないが、「今日はこの人の“あいさつ返し”をもらいたい」と決めたら、その人の名前を呼びかけてみる。「鈴木さん、おはようございます」と言われたら、さすがの鈴木さん(仮名)も反応せざるを得ない。

 一度でも反応を引き出すことができれば、そこから徐々に相手と「あいさつ」の交換ができるようになるだろう。

著者プロフィール:田中淳子

田中淳子

 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー。

 1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタル イクイップメントを経て、96年より現職。IT業界をはじめさまざまな業界の新入社員から管理職層まで延べ3万人以上の人材育成に携わり27年。2003年からは特に企業のOJT制度支援に注力している。日経BP社「日経ITプロフェッショナル」「日経SYSTEMS」「日経コンピュータ」「ITpro」などで、若手育成やコミュニケーションに関するコラムを約10年間連載。


  • 著書「速効!SEのためのコミュニケーション実践塾」(日経BP社)、「はじめての後輩指導」(日本経団連出版)、「コミュニケーションのびっくり箱」(日経BPストア)など
  • ブログ:「田中淳子の“大人の学び”支援隊!
  • Facebook/Twitterともに、TanakaLaJunko

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