社内で“ため息”をつく人がいて、困っている……止めさせる方法を紹介:田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(3/3 ページ)
そうはいってもやはり、ため息くらい出ちゃうよ、という場合の対処法。もう10年ほど前のことになろうか。オフィスに「ため息貯金」という名前の入れ物を設置しているチームがあった。
そのチームのメンバーに尋ねてみるとこんな風に教えてくれた。「仕事をしているとどうしてもため息をついてしまうこともある。それを全部我慢するのも難しい。とはいえ、ため息事態は負のエネルギーだと思うし、周囲にも悪影響を及ぼすだろうことも分かっている。だから、“ため息”を禁止するのではなく、“ため息”とともに10円を入れることにした」。遊びの要素を入れてしまおうというのだ。貯まったら皆で飲みに行くとか、みんなで食べるオヤツでも買おうなどと話していたそうだ。
どうしても「ため息」が出てしまうなら、「ほら、ため息ついた! 10円ね!」と遊び感覚で突っ込みあうようにして、必要以上にネガティブな空気が漂わないように工夫していた例である。完全に「ため息禁止」とするよりも、この方法のほうが導入しやすいかもしれない。
社内に“ため息をついたら貯金箱”を設置してもいいかもしれない(注:現在は設置していません)
グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー。
1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタル イクイップメントを経て、96年より現職。IT業界をはじめさまざまな業界の新入社員から管理職層まで延べ3万人以上の人材育成に携わり27年。2003年からは特に企業のOJT制度支援に注力している。日経BP社「日経ITプロフェッショナル」「日経SYSTEMS」「日経コンピュータ」「ITpro」などで、若手育成やコミュニケーションに関するコラムを約10年間連載。
- 著書「速効!SEのためのコミュニケーション実践塾」(日経BP社)、「はじめての後輩指導」(日本経団連出版)、「コミュニケーションのびっくり箱」(日経BPストア)など
- ブログ:「田中淳子の“大人の学び”支援隊!」
- Facebook/Twitterともに、TanakaLaJunko
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