理想的なチームには、あの4タイプがすべてバランスよく含まれています。その4タイプとは?
仕事をめぐって、ああでもないこうでもないと人が言い争っているのを耳にするとうんざりしますね。誰が1番の働き者で、誰が1番の切れ者で、誰が1番の怠け者か……などと延々論議を交わしたところで、結局は批判の応酬にすぎず、効率性アップにはつながりません。
「私はずっと働いているのに、あなたは全く働かない」といった、「全部か無か」的な議論はもうやめて、仕事についての「本当に意味のある」会話をしたいものです。そして自分独自の働き方を理解し、なおかつチームメンバーそれぞれのワークスタイルの良さも認めていきましょう。
私はここ数年、ありとあらゆる性格テストを研究してきた結果、基本的なワークスタイルには4つのタイプがあるという結論に至りました。(1)実行タイプ(2)統率タイプ(3)共感タイプ(4)研究タイプです。
理想的なチームには、この4タイプがすべてバランスよく含まれています。そして理想的な組織は、バランスの取れた数多くのチームから構成されています。チームメンバーはそれぞれのワークスタイルに自信を持って働いており、多様性が不可欠である点を十分に認識しています。
以下にそれぞれのタイプを見ていきます。さて、あなたはどんなタイプでしょうか。
実行タイプの人は、物事を推し進めます。仕事を完遂したとき、ToDoリストに「済み」のチェックを入れたとき、難しいプロジェクトに挑むときの達成感が好きです。また、集中力が強く、細部まで徹底的に気を配ります。
ただし、集中力があるのはいいのですが、手をいったん止めて、仕事に関して周囲とコミュニケーションすることを怠りがちです。また、深く考えずにいきなり仕事に取り掛かることが多いのも玉にキズといえるでしょう。「さあやるぞ、一気に攻めろ、目標に向かえ」と、押せ押せで行く姿勢を全員に求め、計画性の大切さを見落とすところがあるのです。
統率タイプの人は、ビジョンを創造します。そして、他人にもそのビジョンを信じさせる力があります。リーダー的な統率タイプがいると、周囲は思わずその話に耳を傾け、尊敬し、従わずにいられなくなるでしょう。リーダーがいないと、チームは確かなビジョンを持たないまま、むやみに走り続けるだけとなってしまいます。
ただし統率タイプは、往々にして周囲との間に溝を作ります。そうなると、ビジョンの達成に向けた全員の動きを正確に把握できません。先頭での旗振り役に忙しく、後ろをついて来る人たちのことが頭から抜け落ちてしまうこともあります。
共感タイプの人は、関係を創造します。協力してこそ大きな仕事を成し遂げられるという信念を抱いています。周囲と力を合わせて成功をおさめ、関係を良好に保ち、合意を形成するために熱心に働きます。共感タイプのワークスタイルを得意とする人は、繊細で思いやりにあふれており、いつのまにか、チームメンバーを1人1人理解し、把握しています。メンバーの気持ちが知りたかったら、共感タイプの人に尋ねるのが一番です。
けれども、仕事の細部まで気を配って最後までやり遂げるのはあまり得意ではありません。放っておくと、誰かれ構わず、必要以上に感情移入します。そうした行為は喜ばれるでしょうが、現実の仕事にはあまり役に立たないでしょう。
研究タイプの人は、物事を突きつめます。エンジニアさながらに学んだり、問題の微妙なレベルまで細密に理解したりすることが大好きです。慎重で自制心があり、大半の人より戦略的思考力に優れています。
ただしこのタイプは、他者がいないと、実際の仕事にはあまり結び付きません。計画を練り上げた後は、それを実行に移してくれるチームを必要とするのです。彼らの戦略が、問題を理論的にだけでなく、「実際に」解決するものであるかどうかは分からないのです。
神学者ハワード・サーマン(Howard Thurman)はこう言いました。
「世の中が何を必要としているかについて、問う必要はありません。自分が生き生きと活気づくことをやりなさい。なぜなら、世の中が必要としているものは、生き生きと活気づいた人々だからです」
ですから、仕事に対して1つの方向からだけ見るのはやめましょう。物事は一面的ではありません。多面的であるべきです。目指すべきゴールはたくさんあって、そのために、多くの仕事を多くの人間と協力してやっていかなくてはなりません。人間には必ず長所があります。それが周囲の人の強みと結びついたとき、得られる力は絶大です。同僚を「怠けている」と決めつけて批判するのはもう終わりにしましょう。それよりも、パワフルかつ持続可能な方法で、自分なりの貢献ができるようにしましょう。自分が生き生きと活気づくことをやるのです。
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