飲食物の持ち込みは自由で、ドリンクは飲み放題。1人10分100円から――。渋谷に登場した「コインスペース」は今までカフェが担ってきた“すきま時間つぶし”のニーズに特化した新しい空間だ。フリーランスやビジネスパーソンの強い味方になるだろう。
食べ物、飲み物の持ち込みが自由で、店内にある自販機のソフトドリンクも飲み放題。自習室のようなパーテーション付きカウンター席、会議に使える個室も使えて1人10分100円から――。デジサーフが、ちょっとしたすきま時間を便利に使える「コインスペース 東急プラザ 渋谷店」(営業時間は9時から22時)をオープンした。
店内にはWi-Fi接続のネット環境が用意され、各席には電源を設置。携帯の充電器や複合機(有料)、iPad(有料)も借りられるなど、中途半端なすきま時間の使い道に悩むビジネスパーソンも便利に使えそうだ。経済誌からファッション誌といった多彩な雑誌も読み放題で、電子レンジやポットも利用できる。
利用方法もシンプルだ。入店時に受付カウンターでバーコード付きのリストバンドを受け取り、退店時にリストバンドを返却して精算する。同店のWebサイトは店内の混雑状況をリアルタイムで配信しているので、「せっかく行ったのに満席だった」ということもない。3月中旬からは座席予約システムも導入するという。
コインスペースは、これまでカフェやファストフード店舗が担ってきた“すきま時間つぶし”に着目し、その場所のニーズを徹底的に洗い出した上でサービスを提供している。店舗のコンセプトについて、デジサーフ代表取締役の高橋佳伸氏は次のように述べている。
「人はコーヒーを飲むためだけにカフェに行くわけじゃない。次の商談までの時間を潰したい、打ち合わせをしたい、雨が降った、バスが来るまでの間にひと休みしたいなど、その理由はさまざま。そのシーンの本質を読み取って、求められているものを提供しようというのがコンセプトであり、空間にいかにサービスを加えられるかが重要だ」(同)
10分100円の利用料で約300席を用意し、ドリンク飲み放題からキッズスペース、おむつ替え、授乳室、寒くない喫煙スペース、雑誌、iPad、会議スペースまでを提供するのは、必要とされているにもかかわらず、いまだ提供されていない“細かいすきまニーズ”を埋めるためだ。
デジサーフと東急は横浜駅西口のホテル跡地の活用で協業したことがあり、コインスペースは、その経験を生かした取り組みだという。両社は横浜エクセルホテル東急の跡地に、10分200円のアルコール飲み放題と屋台村を組み合わせた施設を展開。20日間で3000万円を稼ぎ出した実績がある。コインスペースはこの取り組みを“屋内のカフェ”という形で応用したもので、高橋氏は今後も「場所ごとのニーズを洗い出して横展開していきたい」と意気込んだ。
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