電話営業は飛び込み営業と同じく厳しい仕事だが、仕事の優劣がはっきりと表れるやり甲斐のある仕事でもある。今回は、電話営業を成功させるための秘訣をご紹介しよう。
事務所には、多くのセールスコールがかかってくる。
昔は、スタッフが全ての電話を取り次いでいたので、いちいち電話に出ていた。さすがに最近は、僕につなぐ前にスタッフが何とか切ってくれるけれど、もちろん、そこを突破してくる敵もいる。そういう敵の特徴は、
そういう話し方をされると、スタッフは、その電話を僕につながないとまずいのではないかと錯覚して、電話をまわしてしまう。電話がまわってくると、相手の話し方によっては、1分ぐらいは聞かざるを得ない。黙って聞くが、99%は僕に不要な電話である。
などなど。
それにしても、世の中にはつらい仕事がたくさんある。電話での営業も、飛び込み営業と同じく、さぞ厳しい仕事だろうと思う。客の立場としては、「僕の時間を無駄にしないでくれ!」と思うが、それを仕事にしている人のガッツには、本当に頭が下がる。
ごくたまに、スタッフたちの断り方がかんに障ったのか、突然、口調を変えて悪態をつく人もいる。それだけストレスがたまる仕事なんだろう。だけど、飛び込み営業と同じように、すごい成績をあげる人もいると聞く。そういう人たちにとっては、仕事の優劣がはっきりと表れる、とてもやり甲斐のある仕事なんだろうなと想像する。
そんなことを考えていたら、セールスコールのコツを7つにまとめた海外の面白いインタビューを見つけたのでご紹介しよう。ミンダさんというライターが、20年のテレフォン・セールス経験を持つコニー・カダンスキーさんというテレフォン・セールスのコンサルタント(Sales Call Reluctanceという会社を運営)をインタビューしてまとめたものだ。
テレフォンセールスの人たちがこのコツを学んで、日々何度も僕が電話に出なければならなくなるようでは困るし、社会的に望ましくないものをセールスしている人たちが、このコツを習得しても困る。
でも、「敵を知れば百戦危うからずや」というではないか。というわけで、攻めるほうにも、守るほうにもきっと役に立つと思う。
多くのスタッフは自分がセールスマンであるという事実から目を背けている。彼らはプロフェッショナルとはいえない“単なるセールスマン”としての経験が多く、セールスマンについて否定的な考えを持っているのだ。
しかし、セールスマンとは、誰かの問題を解決して利益をもたらす人である。そういった真の意味でのセールスマンであることを、理解する必要がある。
自分には人間としての価値があり、売っている商品やサービスについても、それが顧客のニーズに合えば、とても大きな価値がある――と、信じることだ。顧客がその価値を正しく理解すれば、欲しいという気持ちを止めることはできない。電話の向こうで誰かが失礼な態度をとったり拒絶したりしたとしても、その事実は変わらない(ただし、もし価値を信じられないものを売っているなら、ほかのものを売るべきだ)。
わたし(カダンスキーさん)は毎日、見知らぬ2人の人と、きちんとコミニケーションすることを目標にしている。方法はさまざまで、電話、電子メール、LinkedInなどを使う。数の目標を持って毎日トライアルを続ければ、それが可能になる。
原稿は、決して自社や自分のことにフォーカスするのではなく、顧客のメリットにフォーカスしたものを作ること。「多くの御社のような会社が弊社のサービスを利用しています。それは……」という具合だ。
ボイスメールや留守番電話には積極的にメッセージを残すと、想像以上に反応がある。そして提案には、なるべく数値を入れて具体的なメリットを説明すること(例えば、「弊社のサービスを利用したお客様のWebのアクセスが、平均25%伸びています」など)。
また、必ず、折り返してくださいとのメッセージを添えること。そうしないと、ほとんどの人は連絡してくれない。
人が電話で話をするとき、実際の言葉から得る情報は27%に過ぎず、73%は声のトーンなどから得ていることを再認識しよう。次にそういう観点から、自分の声を録音して実際に聴いてみよう。
返事がない人に対する私(カダンスキーさん)のアプローチは、こうだ。1週間に3回コンタクトを試みる。2,3週間おいて、また同じように試みる。またレスポンスがなければ、2、3週間おいて……
「そこまでして、みんなが応えてくれますかって? まさか! でも、たくさんの人が連絡をくれるわよ」
アンティーク・リサイクル着物を国内外へ販売する「ICHIROYA」代表。昭和34年生まれ。京都大学水産学科卒業後、大手百貨店に入社。家庭用品、販売促進部など。19年勤めたのち、2001年に自主退職して起業。現在に至る。趣味はブログ執筆。
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