フリーランスが入院! そんなとき、どうする!?Re:Work(2/3 ページ)

» 2014年03月11日 11時00分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

事前の確認と病室のチョイス

 ダメ元で「一度だけ家に帰れないか?」と聞くと、すんなりOKが出ました。病院側としても用意して欲しいものがあるとのことで、多くの人は一時帰宅するそうです。

 取りあえず点滴を1本終えて、病室を決めてから一時帰宅。早めに戻ってくるように言われましたが、3時間の猶予をもらいました。ここで、1つポイント。一時帰宅をする前に、看護師さんに次のことを確認しました。

  • 電源を使用できるか
  • 病室でインターネットを使っても良いか(モバイルルータorテザリング)
  • 病室で電話をしてもよいか

 電話はNGでしたが、電源とインターネットについては仕事の事情を話してOKをもらうことができました。これなら、多くの仕事はこなせそうです。

 さらに消灯時間は21時だったのですが、個室であれば必ずしも厳守しなくても大丈夫とのこと。私の頭の中では、既に「病室で仕事をしなければいけない」という決定事項ができていました。そのため、やはり周囲には人がいないほうが有り難い。そして21時を過ぎてもメールなど入る場合はあるので、やはり個室を希望することにしました。

病院へ持って行ったもの

 一次帰宅でまず行ったのは、「デスクを見る」こと。あらためて、自分がどんな環境でいつも仕事をしているのかを客観的に確認しました。そのうえで、「常に必須のもの」と「必要に応じて使っているもの」を分けていきます。つまり病院には、「常に必須のもの」だけを持って行こうと考えたわけです。

 そこで持って行ったものが、次の5点でした。

  • ノートPC(仕事の生命線)
  • モバイルWi-Fiルータ(病室でのインターネット接続)
  • 各種充電ケーブル(ルータやスマートフォンを充電)
  • イヤフォン(仕事中、いつも音楽を聴いているため)
  • iPad(Webサイトなどを参照しながら原稿を書く際のマルチディスプレイ代わり)

 以上。

 自分でも驚いたのですが、いつも空き時間で仕事をするために、外出の際にカバンへ入れているものと変わりませんでした。「ちゃんと仕事をできる環境」と考えると、もう少し物が増えると思ったんですが……。

 加えて、ちょうど原稿を納品したばかりのインタビューで録音した音源データを、PCに移動させておきました。もしも修正依頼が入った場合に、確認するためです。これらの着替えなどの生活用品を合わせ、カバン1つで病院へと戻って行きました。

データはクラウド管理

 現在はメインのPCにMacBook Proを使っていますが、入院時はWindowsのデスクトップでした。そのため、病院へ持って行ったのは外出時用に持っていたウルトラブック。充電は3時間しかもちませんし、スペックも低い機種ではあるのですが、これしか持っていないので仕方ありません。

 仕事にかかわるデータは、すべてDropboxで管理しています。メールはGmailに設定し、仕事用のドメインメールもこちらで管理。もともとはスマートフォンで外出先からでも情報を取り出したり、メールの送受信を行ったりしたいと思ってこの体制にしたのですが、入院時にもこの体制が大きなメリットを発揮してくれました。

 もうお分かりだと思いますが、自宅にあるメインのデスクトップPCと、何ら変わりない状態で病室でも仕事ができるのです。キーボードが異なるので多少操作の効率は下がりますが、PC上で操作できるファイルは同様。恐らく入院中にやり取りをした仕事相手の多くは、私が入院していたことすら知らなかったと思います。

 病室で電話はできませんが、仕事のやり取りはメールやChatwork、Skype、FacebookメッセージなどのWebサービスで十分。業務が進行しているクライアントには、念のためメールで入院してしまったことを通知。ナレッジ・リンクスでは外部のフリーランスワーカーへお仕事を依頼していますが、このパートナーの方々に入院の知らせはしませんでした。

 理由は、普段から基本はメールをメインとしたやり取りであることと、余計な心配をかけたくなかったから。そのため、ほとんどの方は私が入院していたことすら知らなかったでしょう。これは、通知しなかったクライアントも同様です。

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