いつもの仕事が、ここまでに身軽に――住所録、営業カタログ、見積書で“脱Excel”に挑戦(3/3 ページ)

» 2014年03月25日 11時00分 公開
[広田稔,Business Media 誠]
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写真や動画を使った「製品カタログ」も手軽に

 製品カタログもデータベースソフトが活躍する分野だ。カタログは、商品情報を文章でしっかり説明するだけでなく、一目でどんな製品かを分かってもらうためにも写真や動画を埋め込んでおきたい。これもテンプレートを使って自前で作成できる。

Photo Excelでは、住所録のように1行に1製品を入力していくか、複数行をまとめて左に写真、右に製品名などを並べて書くことになる

Photo FileMaker Proでは「製品カタログ」というそのものズバリなテンプレートがあるので、これを使えばOK。ひとつの製品を詳細に見る「フォーム」と、複数のアイテムを一覧する「リスト」という2種類の表示方法を選べる。写真や動画はドラッグ&ドロップで4点まで追加して、切り替えながら見られる

 製品カタログは、特にiPadとの相性がいい。iPadをPCにつなぎ、iTunesを使ってファイルを転送すれば、ネットに接続できない外出先でもデータベースを閲覧できるようになる。重いカタログの束を持ち出すより管理が楽な上、調べたいアイテムもキーワードで検索すれば、すぐ見つけられる。

 営業に使うなら、写真だけでなく動画も使って分かりやすいプレゼンができるはずだ。

見積書のデータベース管理で入力の手間を軽減、ミスも防げる

 製品の仕入れや販売を担当する営業職なら、さらに「見積書」にも魅力を感じるはずだ。Excelにも同様のテンプレートは用意されているが、Excelを使うと発注された商品の名前や型番を、受発注のたびに入力する必要がある。また、見積書は商品や数量を変えて同じ顧客に発注することも多く、そのたびに相手の所在地や社名、電話番号などを入力するのも手間がかかる。その上、受発注の数だけExcelファイルを作成することになり、過去のデータを使い回しているうちに誤って上書きするようなミスも起こりがちだ。

Photo Excelのテンプレートで作成した見積書。共有フォルダにファイルを置き、スタッフ間で使い回すと、誤って上書きされる心配がある。またファイルが増えすぎると、過去にどんな依頼があったのか探すのも一苦労だ

 一方、FileMakerの「見積書」テンプレートには、これまで紹介してきた「連絡先」と「製品カタログ」と同等の要素が含まれており、それぞれデータが関連している。例えば見積書のテンプレートで連絡先を入力すれば、次回からはその企業の名前を選ぶだけで住所や電話番号などが見積書に反映される。商品名も同じように「製品」から引っ張ってきて見積書に反映させられるので、入力の手間が省け、誤記も避けられる。

Photo まずは取引先の会社と商品データを登録。見積り依頼があったら、顧客の詳細画面で「新規見積書」ボタンを押して新規作成する

Photo 見積書の作成時には、商品ごとに割引率も設定できる。消費税も「%」で指定するので、税率が変わってもすぐに対応が可能だ
Photo あとは「電子メールで送信」か「見積書を印刷」を押せば完了だ

 以上、住所録、製品カタログ、見積書という3種類のデータベースを見てきたが、Excel以外の手段で業務データを管理することで、効率化が図れることをお分かりいただけたのではないだろうか。4月の新年度を迎えるにあたり、“何でもExcel頼み”という習慣をいったん忘れ、データベースを試してみてはいかがだろう。FileMaker Proの公式サイトでは30日間試せる無料評価版も配布しているので、気になる人はお試しあれ。

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