格安SIMは、データ通信量に上限を設けることで安価な料金を実現している。上限を超えない使い方をするためには、日々使うアプリやサービスがどのくらいの通信量を消費するかを把握する必要がある。本連載でこれまで試してきた結果、うまく工夫すればビジネスシーンでも通信量の上限を超えずに使うことができた。
とくにスマホを取引先との連絡などのコミュニケーション用途で使うなら、格安SIMは断然オススメだ。情報収集用に使う人や、クラウドストレージを多用する人でも、うまくWi-Fiと併用すれば、格安SIMでまかなえるケースもあるだろう。
格安SIMがあると、“安いコストで仕事がちょっと便利になる”ようなシーンが増える。「仕事用にもう1台スマホを契約したい」「タブレットやモバイルルータを安価に使いたい」「フィーチャーフォンとスマホを安価で2台持ちしたい」と思っている人は、格安SIMを試す価値ありだ。
操作 | 通信量 |
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Kindleでコミック購入 | 30Mバイト |
リモート操作+艦これ 約10分 | 78Mバイト |
YouTube 動画5分再生 | 14.5Mバイト |
Hulu 動画1時間再生 | 202.2Mバイト |
レコチョク 1曲(4分47秒)フル購入 | 4.92Mバイト |
KKBOX 30分聴き続ける | 31.79Mバイト |
動画を見る、音楽を聴く、ゲームを楽しむ――といったエンタメ系の用途では、かなり多くの通信量を消費する。息抜きにちょっと楽しむ分には問題ないが、本気でがっつり使うと泣きを見ることになってしまう。
どれだけのデータ量になるかは、これまでの連載で検証済みだ。
人気のブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(以下、艦これ)は、リモートデスクトップアプリを使って遊んだため、通信量は推定。電子書籍のKindleは「コミック」をエンタメ派の表に含めた。
休憩時間にちょっとYouTubeを見る、好きな楽曲を1曲だけ購入する、といったレベルなら、「OCNモバイルONE」か「BB.exciteモバイルLTE」でいいだろう。「ServersMan SIM LTE」は有料のオプションで高速化すればいいが、そうでないと厳しい。
コミックを読みたい、聴き放題サービスを使いたい、という人は「ぷららモバイルLTE(二段階定額プラン)」か、「U-mobile*d(ダブルフィックスプラン)」を選ぶことになりそうだ。毎日楽しんでいるとデータ消費量が1Gバイト前後になり、自然と“ほどほどの使い方”になるだろう。
毎日「艦これ」で遊びたい、映画を見たい、という人には、「U-mobile*d(スタンダードプラン)」がオススメだが、映画1本あたりのデータ消費量が400Mバイトほどになることを考えると、上限3Gバイトでも月に最大7本くらい見るのが限度だ。実際には他の用途で使うこともあるので、週に1本か2本見るくらいがせいぜいだ。
注意したいのは「艦これ」をプレイする時だ。1日1時間で468Mバイトのデータ消費量になり、30日で14Gバイトに達する。これは「格安SIMのスマホでは遊ぶな」というレベルだ。「艦これ」をプレイするならWi-Fi接続が必須。LTE接続時にプレイするなら「艦隊を遠征させる」「遠征の成否をチェック」といった短時間の操作にとどめよう。
どうしてもスマホでゲームを楽しみたいなら、通信を使わないゲームアプリをあらかじめダウンロードしておくのがいいだろう。その際、アプリのサイズも確認し、データ量が多いならWi-Fiを使おう。
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