第23回 日本文具大賞のグランプリが発表された。機能部門・デザイン部門でノミネートされた各5製品の中から、シンプルさを追求した「鉛筆削り」とファッション性の高いメタリック調の「筆ペン」が受賞。
東京ビッグサイトで第25回国際文具・紙製品展(ISOT)2014が始まった。初日の7月9日、日本文具大賞事務局は第23回日本文具大賞・機能部門とデザイン部門のグランプリを発表。
機能部門でグランプリを受賞したのはソニックの「ラチェッタ ワン ハンディ鉛筆削り」で、デザイン部門では呉竹の「ZIG メモリーシステム ウインク オブ ルナ ブラッシュ」がグランプリを受賞。
日本文具大賞とは、機能面・デザイン面において、特に優れた文具を選定し表彰するコンテストだ。機能部門とデザイン部門に分けている理由について審査員長の大阪大学名誉教授・川崎和男氏は「機能部門では、性能と効果がマッチングしており優れているかどうか――つまりものが持っている性質と製品が社会参加できる効果があるかどうかを見て選定している。デザイン部門の場合はこれらすべてを統合した上で未来があるか、優れているか、美しいかを選定基準としている」と述べ、「わずか100円から500円程度の文具にその素晴らしさを感じられる製品づくりをするのは日本人ならではなので、ぜひともその路線で生き延びていけるよう優れた文具を作り続けることで日本の製品を支えていってもらいたい」と締めくくった。
日本文具大賞グランプリにノミネートされた優秀賞は次の通り。
通常の鉛筆削りでは、一方向にしか回らないため、一旦鉛筆から手を離す必要があるが、グランプリを受賞したラチェッタ ワン ハンディ鉛筆削りは片方に回せば刃が当たり削れるが、逆回転させると空転するというラチェット式の技術を用いることで、握り直すことなく鉛筆を削れる。また、鉛筆を差し込むことで自動開閉するシャッターを採用しているので、ユーザーは何も考えずに鉛筆を同製品に差し込んで、左右にひねるだけで削れるというシンプルさだ。
デザイン部門でグランプリを受賞したZIG メモリーシステム ウインク オブ ルナ ブラッシュは、これまで書き込みが難しかった黒や紺など色の濃い紙に美しい発色のメタリック調で描写できる。筆ペンといえば、少し古臭いイメージがあるかもしれないが、そのイメージを払拭し、化粧品のようなファッション性のある外観と使い勝手で表現性と用途を拡大させた。
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